ページ

2010年11月25日木曜日

補綴における金属の役割

昨今はジルコニア、e.maxなどとオールセラミック系が勢いあります。
営業するのもやりやすいでしょうし、患者さまもやはり嬉しいのだろうと思います。
私が歯科医院へ行って患者さまに材料の説明などを話すると、ほぼ100%オールセラミックの補綴になります。
実際キレイですし、メタルボンドに比べて軽いですし、昔私が夢見ていた「白い金属があれば良いんだよなぁ」と思っていたことが今は現実です。

もちろん、サヤカでも一番おすすめしたいしたいモノです。。。
部分的に治す場合や前歯をキレイにするなどの話では、オールセラミックを積極的にオススメしたいです。
しかし、そういった現在でも金属の役割はシッカリとあると思っています。
2年前にある有名なラボの社長が「うちのラボはもうほとんど金属を使っていないよ」と言うのを聞いたことがありますが、本当なのだろうか?と思ってしまいます。

金属の優位性というと「ロー着できる」と「咬合やパラファンクションで壊れることがない」「撤去しやすい」などではないかと思います。

この「ロー着できる」「壊れない」「撤去しやすい」というのは、歯科医療において非常に重要だと思っています。

「治療」というと漠然としていますが、たとえばオーラルリハビリテイションといった観点から全顎単位で治療するのであれば、歯周治療を施して、必要であればグラフトをして、欠損部はインプラントを入れて、プロビジョナルで一定期間様子を見て、全顎を今考えうる最善の状態にしてから上部構造は全て白くするというのであれば良いのかもしれません。

しかし、そういった治療を選択できず、口腔内の状態が紛れもなく「崩壊」に向かっている場合は、適宜金属の補綴物を選択するべきなのではないか、と思うわけです。

たとえば6番7番部MTでインプラントを施し、後に5番が欠損したとき、6番7番の上部構造を金属で作っていれば5番を後付け出来ます。

バーティカルが減っていてクリアランスが取れず、などなど。

昔の歯科技工は今ほど複雑ではありませんでした。
今の歯科技工は全て網羅しようとすると、相当複雑で難しく、常に先端のほうで何らか関わっていないと置いていかれかねないほどではないかと思うほどです。
昔のようにドクターも技工のことは全て分かっている、というのは無理になりつつあると思います。

だからこそ、たとえば色々なラボのホームページで「オールセラミック」「CAD/CAM」「インプラント」ですよと、金属冠はオマケですのかごとく「ノータッチ」な喧伝を見ると、これは一体どうなのだろうか。。。などと、また変に考えてしまったりします。





0 件のコメント:

コメントを投稿