安売り技工所の最大の売りは【ビカビカ研磨】とも聞きますし、そのビカビカに光った技工物を作り出すために「巣対策」は万全を尽くすと聞きます。
リングの冷やしかた、溶融した金属を流し込むタイミングなど、かなり綱渡り的ともいえる技法は、新人にとっては険しい道になることも多いようです。
たとえば真空練和器について、しばらく以前に歯科技工かQDTで、高価な真空練和器と廉価な真空練和器の差は、担当技工士が熟練の場合は全く差が無いという文章がありました。
辞める人も多く、新人を毎年雇い直す大き目の技工所では、技術の差があっても結果に差が出ないように高価な機器が必要になるということもいえるのでしょうか。
サヤカの鋳造機はヘレウスのヘラキャストIQですが、以前に使っていたデンケンのキャスコムよりは鋳造タイミングや埋没などに気を使います。
キャスコムの印象は「何をやっても失敗しない」というイメージがいまだにありますが、個体差かもしれませんがサヤカで使用していたキャスコムは、年に2回、3回と断線のためマッフル交換が続いたので、期を見てヘラキャストに交換しました。マッフルは白金線を使っているから高いなどとも聞きましたが、実際は白金は使っておらず、その割には妙に高価なマッフル代だと思いますし、鋳造機の修理代だけで年に40万~60万~など払っていられませんでした。(6、7年前の話)
ヘラキャストIQにおける鋳造対策は、全ての操作で気を抜くとブローホールで満たされることがあるので、やはり気を付けるべきところは気を付けないといけません。
埋没のときには「センターを外す」ことを気を付けます。
ヘラキャストIQで金属床の想定以上に薄い部分(0.5mm未満)が入らない、ということはありますが、基本的にはなめられることはないので、条件によってはリングのセンターを外すために写真のような長いスプルーをすることもあります。
また、真空圧迫鋳造なので、通気性の確保として埋没の際にリングから盛り上がった状態で埋没材を固め、一層削るようにしています。
短時間溶解デジタル制御で高周波出力を完全コントロールしオーバーヒートを防ぎます、などと言いますが、キャスコムのように一定温度で係留などということは出来ませんので、やはりタイミングも重要だと思っています。
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