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2012年6月21日木曜日

NEW FUJIROCK  vs  New Hi-Rock ≪vol.2≫ (追記)

その1 からの続きです。


昨日の水に浸した後の「色落ち」ですが、色素が落ちたのか、石膏そのものが溶けだしたものなのかは判りませんが、乾燥しているティッシュ表面では昨日より鮮明に観察できたので掲載します。
ただ、白いティッシュに淡い色が着いたものを写真で表現するのはとても難しいので、一枚は撮ったまま、もう一枚は「レベル補正」をして、色が見えやすいように加工してみました。

撮ったままの写真【±0.7】


Photshopでレベル補正




6.全てが終了し、顕微鏡レベルで撮影

1)GC NEW FUJIROCK(写真は同じ被写体を2ショット撮影しています)

 熱湯~加圧~水冷を繰り返した模型


 アクロセップを一回塗りし、完全乾燥後に模型を吸水しエアーで乾燥させたもの



2)Hi-Rock





それぞれ画像をクリックすると拡大できますが、それでは比較するのに面倒だろうということで、拡大切り抜きしたものを載せます。

注)上の写真も含め、これらの画像は一切の画質補正を施していません。撮ったままです。


上がFUJIROCK、下がHi-Rock
(熱湯~模型)



 上がFUJIROCK、下がHi-Rock
(アクロセップ~模型)


【考察】
観察の段階で述べていたように、Hi-Rockは模型中の水分量の変化に伴った特異な色の変化があり、技工作業をしていて「石膏が弱ったのか?」と思わせるような雰囲気を醸し出すため、他社製品に比べて極端な色落ちや表面の荒れなどがあるのではないか?という疑念が先入観でありましたが、結果は良い意味で完全に裏切られました。

今回行った範囲では、差は認められませんでした。

一枚目の拡大比較画像から分かるように、Hi-Rockの方が粒子が細かく見え、FUJIROCKのほうが荒い粒子を使っているように見えます。私はド素人なので言葉に何の保証もありませんが、ひょっとしてこれは硬度を保つため、あるいは増すために大き目の粒子をつかっているのかな?と思いました。もしかしたら熱湯~加圧~水冷などの回数を増やしていった時のエッジの残り具合などでは、ここら辺が影響して微妙に差が出てくるのかもしれません。


思ったほどの差が出ず、流石に吉野石膏だけあってHi-Rockも凄いなと思ったのが率直な感想です。


【追記】
結局使っている上では色素の「沈殿」や「落ち」が問題だろうと思いますが、新たに分かりやすい写真を追加します。

GC

 High-Rock

High-Rock

これらはシリコン印象材に注ぎ、印象材から模型を外した直後の状態です。
High-Rockでは補綴部位付近に色素の沈殿が見られます。
シリコン印象材に石膏を注ぐときは、一般的に補綴部位から先に石膏を注ぐため、そこにある石膏がバイブレーターの振動を長時間受けることになります。

この色素の沈殿というか集まり具合は、そのせいではないか?? と思っています。

技工物の精度に影響があるか?と言えば、あまり無いだろうとは思いますが、使っていて不安になる石膏でもあり、「これって何とかならないんですかねぇ~」と、弊社スタッフの皆が感じています。



【余談】
インプラント上部構造でファイナルのImpをした模型で、レジンモックアップを作ることがあります。
レジンモックアップを作ったあとに、通常の上部構造体の製作に入らなければならず、アクロセップ塗布面の後処理に困ることがあります。

ご承知のようにアクロセップはアルギン酸が模型中のカルシウムと反応して不溶性のアルギン酸カルシウム被膜を生成しますが、例えばやってはいけないスチーマーなどで「その被膜」を飛ばそうと思っても、飛んで行ってくれるのはアルギン酸カルシウム被膜の上にある「ただのアルギン酸被膜」だったりするので、結局のところアクロセップを塗ったら表面のディティールに関して精度は無い、と思わなければならないということが言えます。

ではホルムアルデヒド系で無成層のAislarなどを使えばと思っても、技工物の製作工程の最後にレジン重合がある場合は良いですが、中間工程でのレジン重合では躊躇します。


一回でもアクロセップを塗布した模型は、上の写真(アクロセップ~模型)の状態から抜け出られなくなります。だからこそ、アクロセップを完全に除去する方法は無いモノか??と思ってしまうわけです。







 












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