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2012年8月17日金曜日

田中武先生 顎関節症治療セミナー  その2

セミナーの前日の10日は、弊社スタッフ佐野が青山田中歯科医院へ伺い、QDT10月号に掲載される臨床ケースの立会いをさせていただき、夕方からは先生と一緒に荷物の運搬と搬入など、セミナー準備に取り掛かりました。

開けて11日の初日の朝からは、弊社スタッフ野崎が加わりました。



「新しい顎関節症の考え方と治療法」

講師 田中 武先生

特別講師 日本大学松戸歯学部放射線科・金田 隆教授 



【1日目】



挨拶と関係スタッフの紹介


午前中の講義は、咬合治療、顎関節症治療の世界的な潮流と日本の現状を示しながら、咬合不良による不定愁訴をもった患者さんが3Dスプリントによる顎誘導とドーソンテクニックによる咬合調整によって、その後どのように生体が変化していったかを実際の症例を紹介しながら説明されていました。

また、顎関節症の診断のための分類ということで、「下顎頭・関節円板複合体の障害」を関節円板偏位と関節円板転位とに分け、関節円板偏位は即時回復性関節円板偏位・暫時回復性関節円板偏位に、関節円板転位は復位性関節円板転位と非復位性関節円板転位に分けて考えているとのことで、偏位の段階での細かな診断と対処法を明確にするためということでは、Okesonの分類より臨床に則した分類のように感じました。



二日目に咬合調整の実習をするため
受講生の先生方から持参の咬合器を提出してもらい、
事前にサヤカで製作しておいたエポキシ模型を16ケース分マウントしていきました

こちら翌日に撮影した写真




受講生全員が被験者として撮影
何も装着しない状態
3Dスプリントを装着した状態


午後は日本大学松戸歯学部放射線科の金田隆教授の「顎関節症の画像診断」から始まりました。CT・MRI画像から何が診えるのかということでは、撮影方法によっては白血病やHIVを発見できるということには驚きました。
また、初見の画像を田中先生から示され「実際に診断してください」と言われて診断されていましたが、技工士の私たちは細かく理解することは出来ませんでしたが、受講生の先生方はとても参考になったのではないかと思います。

その後、事前に製作しておいた3Dスプリントを受講生の先生方それぞれが装着し、田中先生の指示に基づいて調整をしていきました。

                   【田中先生のブログから拝借】

技工スペースでの3Dスプリントの調整は、上の写真3の突起部分が尾根状になっているものをタッピングポイントがずれ込まないよう注意しながら点接触にしていくというものです。

3Dスプリントを入れたときの実感ですが、これまで咬合に、或いは咬合治療に苦しんでこられた方などは一瞬で全てを感じ理解できるものだったりしますが、普段問題なく生活しているような場合は入れて何かを感じるということは稀で、写真による姿勢の変化を見たり、キネジオロジーなどによる実感が多いのではないかと思います。



チェアーでドーソンテクニックを実演


田中先生の話の中では意外な言葉をよく耳にします。
「それは分かりません」、「これは治りません」

分かっている人ほど分からないことを分からないと言え、出来ないことを出来ませんと言えるのだろうと思います。




セミナー1日目終了後、懇親会


その3


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