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2011年11月4日金曜日

やらない先生

インプラントをやらない先生、オールセラミックをやらない先生、昔ながらの診療はするけれど、特に新しいものはやらない先生が多くいます。

ある先生が「ヨーロッパの大学では学生のころから最先端の歯科治療を臨床を通して手掛けているのを見てとても驚いた」という話ですが、以前にもこのブログで紹介しました。こちら

そういった国では最先端治療を実践を通して学んだ卒業生がどんどん世の中に出てくるものだから、先人とても最先端治療に関して個人的な見解で、アレは良い、アレは良くないなどと言っていられないだろう、とも言っていました。



TPPで揺れる日本ですが、技工業界は何に守られていると言えば、やはり保険制度と新しいものを好まない先生方に守られているのではないかと思います。

もし保険制度が無かったら、高度経済成長よろしくバブルよろしく世界一の経済大国よろしく、治療費や技工料金、少なくとも保険料金相当のクラウン・前装冠あたりは今より少しは高くなっていったのではないかと思いますし、そうなれば開発途上国からの絶好の狩場になっていたのではないかと思います。

最先端の技工は効率化、自動化であり、人の手を掛けずにすることを増やすシフトとも言えます。
いわゆるシビライゼーションという構造が変わるときともいえますが、日本の歯科界の多くの人は変化を望まないようですし、かつて幕末に銃剣を持たせようとしたら、刀はかくあるべきと言って、銃剣を持つのを拒んだように、それはもしかしたら日本の国民性なのかもしれません。

レコードがCDに変わるとき、気分的に抵抗した40代より上の人たちは多かったのでは?
音の深みに拘るウンチクを語る人がいたのではないでしょうか。

銀塩からデジタルに変わるとき、「そんなもの」と気分的に不快に思った40代より上の人たちは多かったのでは?
銀塩は層構造になっていて奥行きがあるんだと語る人がいたのではないでしょうか。

「歯科界ほどパソコンが普及しない業界は無い」と、20年近く前に横河工業の方に言われましたが、日本の歯科界は特に競争相手といっても隣の歯科医院であり、何とかしなければ顧客が離れるという現実味もなく、また過去の裕福さが邪魔し、だから変わる必要が無かったのではないかと思います。

先日弊社の野口がCamlogの催しに参加したとき、本数に制限はありますが「作る」ことだけに関して言えば、技工士の存在意味さえ危ぶまれるほどのセレックの凄さを見せつけられました。


孫正義が高校生のとき、将来は経済を学びたいと思ったけれど、日本の大学(東大)では「過去の経済学(マルクス)」しか教えてもらえないと知り、単身アメリカへ行き最先端の経済学を学んだそうです。

もし、日本の歯科大が基礎が基礎がと言わず、「最先端の歯科医療」を実践を通して即戦力になるよう教育していったら、随分と様子が変わるのだろうな、と思います。
基礎があるからこそ、と基礎好きの人は言うでしょうが、大学は基礎を学ぶところなのか、未来を拓くために最先端を学ぶところなのか、というと難しいのかもしれません。。。。

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