先週末の金曜日に無事セットを迎えた、上下フルマウスのケースについて、その製作工程や臨床ならではの諸々を伝えられればと思い、ここにレポートします。
青山田中歯科医院の田中武先生の好意により、今回このような大きなケースの製作全般という大役を任せていただきました。
上顎は無歯顎でブローネマルク・インプラントが6本埋入されています。
右側の最後方はワイドで、それ以外はレギュラーで、アバットメントは全てマルチユニットです。
下顎は右下4番から3、2、1、1、3番と残存していますが、両側遊離端はそれぞれインプラントが2本と3本埋入されていて、こちらも上顎と同様にマルチユニットアバットメントです。
マテリアルは全てジルコニアのオーダーでした。
上顎フルと下顎の両側遊離端部はフルジルコニアPIBで、下顎前歯部はジルコニアBrという設計になります。
上下ともファースト・インプレッションが見事でしたが、上顎はフルマウスということもあり、ノーベル推奨の手法に従いメタルフレームとパターンレジンによるインデックスを採っていただき、3本ほど微調整のため埋め直しをし、ファイナルの位置関係を決定しました。
バイトですが、この手法がまた見事で、それまで使われていたTEKを、先生がチェアーサイドでコピーし、それを使ってバイト採得をしました。
ですから、ある程度の審美的要件、咬合平面は情報として内包されます。
田中先生はプラスチック製のデンチャーケースを利用して、ほんの数分でこのTEKをコピーしてしまいました。
コピーされたものにチタン製テンポラリーアバットメントを3本だけ埋め込み、バイト用インデックスとします。
ドーソンテクニックによって採られたバイトに従い、咬合器にマウントします。
正中や平面などの情報も入れ込みます。
バイトが決定し、レジンモックアップを作るために歯冠回復をします。
山八の廉価な咬合器に附属品としてついている咬合平面板を利用し、
前後側方の歯牙湾曲をチェックします。
レジン填入完了
その2へ つづく
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