レジンモックアップをカットバックしていきます。
マルチユニットということもあり、アクセスホール周辺の強度とサポート形態を考慮しました。
ここで2つ問題発生しました。
1つはマルチユニットアバットメントの角度です。
全体が40°以内であれば製作可能ですが、分度器をあてて計測してみると、どうもピッタリ40°の様子。やはり見慣れている人にも確認してもらおうということで、ノーベルの液体金属こと山本さんに見てもらいました。
「ん~40度ピッタリですねぇ」と山本さん。
「ではジェニオンで読んでくれるか見てみましょう」ということになりました。
無事に受け入れてくれました。。。
ジェニオンで読めるということは、とりあえず角度の第一関門は突破ということです。
ただし、プラントにデータが送られると、そこで更に細かく計測され、ジェニオンではOKが出たとしても製作不可になる、という場合もあるそうです。
2つ目の問題ですが、先日も書きましたが現在ジルコニアブロックの最大直径は多くのメーカーが85mmを採用していますが、ノーベルは60mmです。
今回のケースでは60mmを超えてしまうアーチだったため、最後方歯がどうしても届かないという事態になってしまいました。
先生に事情を説明すると、「では左の一本をマルチユニットのメタルボンドで作ってください」との指示がありました。
右上臼歯部には3本のインプラントが埋入されているため、「左の後方2本を孤立させてジルコニアにした方が、全てジルコニアで制作可能になります」と説明すると、「左の骨植を考慮すると、そこは2本で支えたくない」とのことでした。
それではということで、左側のキャンチレバーを10mm以上確保しなければメタルボンドに適切な形態を付与できないということと、充分な接着面を確保するために、ノーベルバイオケアに事情を説明し、60mmを超えるオーダーをそのまま流すので左の最後方を犠牲にして、そのまま削り出してくださいという、特殊なオーダーをさせていただきました。
そして出来上がったフレームがこれらになります。
左の最後方部がブロックの軸面そのままになっています
寄って撮影
大型補綴でセットの期限も決まっているので、大きな「やり直し」を可及的に避けるため、ジェニオンによる模型の読み込み、PIBフレームの読み込みは、上顎で3回やり直しました。下顎も一つは2回やり直しました。小さな「やり直し」は何でもありません。
PC画面上で「絶対いける」と確信を持ってから、データ送信しました。
それぞれアクセスホールとサポート形態を考慮した構造になっています。
さて、問題継続中の左側最後方歯ですが、その1本だけマルチユニットで製作ということで、また、セット時には全て連結することを前提とするため。。。
①フルアーチのフレームをセットし、その後に7番のメタルボンドが挿入できるように、スペースと角度の調整
②回転しないような形態に加工 を行いました。
これが仕上がったままの状態で
こう加工しました
その3 へつづく
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