ページ

2012年4月6日金曜日

2級 オープンバイト  その2

その1 からの続きです



私が患者さんと会ったのは昨日が初めてです。
模型を見て装置を製作し、2ヶ月ちょっと経過したのが昨日のことです。

初めましての挨拶をし「体調はいかがですか?」と聞くと・・・


これまでは酷い頭痛持ちで、イブ【EVE】を一日一箱(20錠入)飲んでいたけれど、装置を入れてからはあまり飲まなくても大丈夫になりました。
また寝起きの頭痛があまりに酷くて、朝起きるのが怖くて仕方なかったけれど、今では寝起きの頭痛はなくなりました、とのことでした。



覚醒時の頭痛は薬を飲んで事前に抑えられるけれど、寝起きの頭痛は寝起きと同時に襲ってくるため薬で抑えられないということから、頭に問題があるのでは?と脳神経を調べたり、首を調べたりと、色々な病院に通っていたそうです。
さらには、寝方が悪いのでは? 枕が悪いのでは?ということで、様々な枕を買っては試したり、左を下にして寝ないよう工夫したりしていたそうです。

あまりの内容に、挨拶の延長で軽く体調を聞いた私の方が驚いてしまいました。

ゆっくり最大開口してもらうと、両側の顆頭が、顔の輪郭を変えるほど外側に張り出しました。かなりしっかりした顆頭のようです。

顆頭の位置としては右側の方が左側に比べ上の方に位置していましたが、最大開口の最後では左側の顆頭が勢い良く外側に張り出す動きをしていました。



さて、口腔内の状態ですが
前歯の被蓋状態を確認したところ、1月の状態とは明らかに違う状態に変化していました。

今日の状態



こちら印象直後なので印象材が付いていますが・・・




解りやすいように模型で見比べてみると


【1月の状態】





【今日の状態】


写真では写りこんでいませんが、臼歯部の高さが確保されつつあります。
それと同時に前歯部の被蓋も、もう少しで出来そうなところまできたと思います。

現状では、就寝中の筋肉弛緩を利用した下顎の前方回転に伴う覚醒時の臼歯の咬合が確立されていないため、昼間の咬合接触はまだまだ不安定な状態ですが、ベクトルは問題ないということでこのまま慎重に進めていければと思っています。

今後は、明確なゴールをイメージしてから、ここからの誘導のための装置と咬合調整誘導板などを作りながら、覚醒時に使用するプレートでいわゆる昼間の咬頭嵌合位を先生と患者さんのコンセンサスに基づいて作り出してもらい、落ち着いたところで臼歯部のTEKをプロビに置き換えた後に、順次最終補綴物に移行していければと思っています。

0 件のコメント:

コメントを投稿