2012年4月4日水曜日

e.max LT (3)

e.max LT (2) からの続きです

今日は夕方から、先週セット直前までいったけれど、もう少し平面を何とかできないか?という要望に応えるために修正したe.maxのセットに立ち会ってきました。

前回で患者さんはシェードに関して何も言っていなかったのですが、私としては「テトラといってもLTでラミネートだと、やはりノッペリした色になってしまう」という感じを抱いていました。
「もう少し透明感があってもいいな」と。



頼まれた訳ではないですが、それならということで、e.max Impulse のValue を試してみようと思い、前回製作したモノを修正するのに加え、同じ模型で「もう1セット」余計に製作し、口腔内で比べてみようと思いました。



まずはラボでの比較で、作ったそれぞれ中切歯のラミネートを水に濡らして比較してみました。

左 【e.max LT】   右 【e.max impulse Value1】

ビショビショに濡らしたタオルの上で比較しています

感覚的な表現としてですが、impulse Valueも厚みが1mmになると下地を透ず
0.8mmから下回ってくると透けてくるようです。



写真からも分かるようにLTはさすがにLow Transというだけあって、透明感は殆ど無く薄くなるマージンにかけても、その輪郭がハッキリしています。

それに比べValue1のほうは、薄いマージンに近づくにしたがって透明感が強くなり、下地の黒を拾っているのが分かります。


そして今日の口腔内での状態ですが、このケースにおいてはimpulse Valueのわずかな半透明性がマッチし、対合歯との調和はバッチリでした。


Value1を入れた状態

患者さんに選んでいただこうということで聞いてみると、「前回の白いほうで」と即答でした

接着に悪影響を与えないノンフッ素のペーストで歯面清掃

清掃終えた状態df

エッチング、シラン処理を施し





予備重合し、余剰接着剤を除去して本重合をし

セット完了後に咬合調整をして、本日の診療が終了しました



今回は技工士が陥りやすいトラップに見事に嵌り、自らすすんで再製作をしてしまいましたが、impluse Valueの使用感を味わえたり、若手の先生と同じ目標に向かって共同作業が出来たりと、全体を通して良い経験をさせてもらえたと思っています。

正中・咬合平面・色調という、およそ女性が気にするほとんど全てに悩んでいた患者さんで、数回にわたる立ち会いの中では歯科医療に対して疑心暗鬼の感情を持っていることが、言葉の端々から感じることができたほどですが、最後の最後には本当に嬉しそうに笑顔で写真に写ってくれました。












今回の形成・印象・セットを担当してくださった先生は日大の助教の松本先生でした。


0 件のコメント:

コメントを投稿