2011年12月5日月曜日

上下フルマウス その3

その1
その2 からの続きです



最後方歯のメタルボンドフレームを、ジルコニアフレームに合わせて製作しました。






さて、骨格ができたので、ここからは装飾になります。
下顎から前装していきますが、上顎はモックアップの際に印象を採っておいたので、ワックスで回復をします。ワックスで作られた上顎を参考にした方が、再現しやすいというものです。

途中で固まると厄介なので、高めの温度で速やかに流し込みます


ぐふっ、先はまだまだ長そうです

一気に盛っていきます
私は築盛の要所要所で息を止めるので、たまに深呼吸をしますw

下顎の追加築盛
およその下顎の形態が整ったら、上顎の製作に入ります


上顎のファーストベイクが終わったころ、メタルに置き換わったものを試適

良い感じに適合しています

後追いでメタルボンドの築盛に入ります






補足焼成~形態修正をし、ステインは施さず試適になります




その4へ つづく

上下フルマウス その2

その1 からの続きです。



レジンモックアップをカットバックしていきます。
マルチユニットということもあり、アクセスホール周辺の強度とサポート形態を考慮しました。




ここで2つ問題発生しました。

1つはマルチユニットアバットメントの角度です。
全体が40°以内であれば製作可能ですが、分度器をあてて計測してみると、どうもピッタリ40°の様子。やはり見慣れている人にも確認してもらおうということで、ノーベルの液体金属こと山本さんに見てもらいました。



「ん~40度ピッタリですねぇ」と山本さん。
「ではジェニオンで読んでくれるか見てみましょう」ということになりました。

無事に受け入れてくれました。。。


ジェニオンで読めるということは、とりあえず角度の第一関門は突破ということです。
ただし、プラントにデータが送られると、そこで更に細かく計測され、ジェニオンではOKが出たとしても製作不可になる、という場合もあるそうです。



2つ目の問題ですが、先日も書きましたが現在ジルコニアブロックの最大直径は多くのメーカーが85mmを採用していますが、ノーベルは60mmです。





今回のケースでは60mmを超えてしまうアーチだったため、最後方歯がどうしても届かないという事態になってしまいました。



先生に事情を説明すると、「では左の一本をマルチユニットのメタルボンドで作ってください」との指示がありました。
右上臼歯部には3本のインプラントが埋入されているため、「左の後方2本を孤立させてジルコニアにした方が、全てジルコニアで制作可能になります」と説明すると、「左の骨植を考慮すると、そこは2本で支えたくない」とのことでした。

それではということで、左側のキャンチレバーを10mm以上確保しなければメタルボンドに適切な形態を付与できないということと、充分な接着面を確保するために、ノーベルバイオケアに事情を説明し、60mmを超えるオーダーをそのまま流すので左の最後方を犠牲にして、そのまま削り出してくださいという、特殊なオーダーをさせていただきました。

そして出来上がったフレームがこれらになります。

左の最後方部がブロックの軸面そのままになっています

寄って撮影


大型補綴でセットの期限も決まっているので、大きな「やり直し」を可及的に避けるため、ジェニオンによる模型の読み込み、PIBフレームの読み込みは、上顎で3回やり直しました。下顎も一つは2回やり直しました。小さな「やり直し」は何でもありません。
PC画面上で「絶対いける」と確信を持ってから、データ送信しました。




それぞれアクセスホールとサポート形態を考慮した構造になっています。

さて、問題継続中の左側最後方歯ですが、その1本だけマルチユニットで製作ということで、また、セット時には全て連結することを前提とするため。。。

①フルアーチのフレームをセットし、その後に7番のメタルボンドが挿入できるように、スペースと角度の調整   

②回転しないような形態に加工  を行いました。

これが仕上がったままの状態で

こう加工しました




この加工だけで半日以上費やしました。さすが1000Mpaを超えるジルコニアですw


その3 へつづく

上下フルマウス その1

先週末の金曜日に無事セットを迎えた、上下フルマウスのケースについて、その製作工程や臨床ならではの諸々を伝えられればと思い、ここにレポートします。



青山田中歯科医院田中武先生の好意により、今回このような大きなケースの製作全般という大役を任せていただきました。




上顎は無歯顎でブローネマルク・インプラントが6本埋入されています。
右側の最後方はワイドで、それ以外はレギュラーで、アバットメントは全てマルチユニットです。



下顎は右下4番から3、2、1、1、3番と残存していますが、両側遊離端はそれぞれインプラントが2本と3本埋入されていて、こちらも上顎と同様にマルチユニットアバットメントです。

マテリアルは全てジルコニアのオーダーでした。
上顎フルと下顎の両側遊離端部はフルジルコニアPIBで、下顎前歯部はジルコニアBrという設計になります。

上下ともファースト・インプレッションが見事でしたが、上顎はフルマウスということもあり、ノーベル推奨の手法に従いメタルフレームとパターンレジンによるインデックスを採っていただき、3本ほど微調整のため埋め直しをし、ファイナルの位置関係を決定しました。










バイトですが、この手法がまた見事で、それまで使われていたTEKを、先生がチェアーサイドでコピーし、それを使ってバイト採得をしました。

ですから、ある程度の審美的要件、咬合平面は情報として内包されます。


 田中先生はプラスチック製のデンチャーケースを利用して、ほんの数分でこのTEKをコピーしてしまいました。

コピーされたものにチタン製テンポラリーアバットメントを3本だけ埋め込み、バイト用インデックスとします。


ドーソンテクニックによって採られたバイトに従い、咬合器にマウントします。
正中や平面などの情報も入れ込みます。

バイトが決定し、レジンモックアップを作るために歯冠回復をします。


山八の廉価な咬合器に附属品としてついている咬合平面板を利用し、
前後側方の歯牙湾曲をチェックします。

レジン填入完了


普通はレジンモックアップのトライをしていただき、審美的要件、咬合平面、バイトなどの確認をしていただきますが、今回は患者さんの来院回数、アポイントの期限などの問題で、モックアップトライは省略しました。


その2へ つづく

本の話

また本の話です。

宮部みゆきの「理由」を読み終えました。

実は先月末に大阪へ行ったとき、宿泊したホテルでいつものように、寝際にその本を読んでいたのですが、さて寝るぞというとき、いつもの癖で枕の下に本を置きました。

私はいつも右を下にして寝るのですが、枕に微妙な形状を求め、、枕の右端がわずかに高いのを好みます。もちろん家では寝床周辺は常に本が散乱していますので、その形状を作るのには事欠きません。

そして、お約束通り・・・
翌日は枕の下に置いた本を忘れて埼玉に戻ってしまいました。


そのため、しばらく「理由」からは遠ざかっていました。
本を買いに行く時間も限られていましたし、4~5件ほど本屋を巡ったときも、何故か「理由」だけ在庫がないというのが続きました。

再び「理由」を手に入れたのが一昨日の夕方でした。


私個人としては「火車」より「理由」のほうが面白かったです。
「火車」は変わりゆく社会の暗部に女性が滑り落ちるというのが元にある物語で、私としては物語の根幹部分に同調できずにいましたが、「理由」は人間らしい弱さ怖さが根幹にあり、登場人物のそれぞれの個性というか、人として大事にしているものの差などがリアルに感じ取ることができ、全編を通してジワっと胸に響くものがあり、とても楽しめました。



「理由」を探しているとき、あまりに再会できなかったので「魔術はささやく」を追加購入していました。

模倣犯は長編なのでしばららく放置し、今日からは「魔術はささやく」を読み始めました。
前2冊に比べ、出だしからグッと引き込まれています。






土曜日は暮れの元気なご挨拶の用事で昼過ぎから買い出しに出かけ、その足で秋葉原に行ってきました。すれ違う顔はまさに「秋葉原を歩く人」を絵にかいたような顔ばかりで、少々気が滅入りましたが、やはり電化製品を買うのには最高の場所だとも思います。
あまりにPCの持ち帰りが多いため、ノートとはいえ15.6のDELLでは重過ぎ、acerの13.3を購入してきました。53,000円弱でcorei5 500GB 4G  OfficeのBusiness付というビックリ価格です。




日曜日は久々にフリーな時間が過ごせると思い、独りでブラッと海と山を求めて房総半島へ向かいました。

が、首都高の渋谷を過ぎたあたりで電話が入り、「小林君さぁ、今日中に咬合器を取りに来られる?」とは、知り合いの先生。。。

「えっと今は千葉に向かっているので、海ほたるでUターンして伺います」

そういうわけで、房総半島を海と山に囲まれながら独りドライブは妄想で終わりましたw

天気が良く、富士山がクッキリ


千葉が目の前であと4kmほどだったのですが、このままUターン。。。








2011年12月2日金曜日

e.max グレーズ温度

Empress時代から、ステイン仕上げ系のグレーズは工夫が必要でした。

サンドブラスト処理した方がステインやグレーズペーストが塗りやすいけれど、何度焼いても艶が出ないといった具合で、表面処理の加減、温度の加減、焼成回数の加減が難しかったものです。

レイアリングにおいてもグレーズペーストをすることを前提とし、色づけ、数回のグレーズと、かなりの回数ファーネスに入れます。

温度加減の一つですが、先日来手がけていたフルマウスのジルコニアでe.maxセラムの焼成温度は紹介しました。  こちら

徐冷に関しては、理論的だの色々ありますので、それぞれの環境相応でということで。

そして、グレーズ。
あのフルマウス級のジルコニアPIBフレームで、どの程度の温度でグレーズすると良い感じに焼けるのか? ですが。。。
乾燥    10分
プレヒート 10分
昇温率   27°/分
最高温度  745° ±5°( グレーズペースト使用 )

で焼くとこんな感じです。
カメラ、被写体とも手持ちなので微妙にブレてますが、実際の見た目は良い感じに仕上がったと思っています。

2011年12月1日木曜日

DENTAL TECHNICIAN'S FORUM 10th

今日は夕方からモリタさんが見えました。

株式会社モリタの方で東京本社営業部 営業推進部 1グループ 課長の 岡野浩之さんです。

写真右端が岡野さん



岡野さんは弊社の佐野がJDAの集まりでいつもお世話になっているということですが、今日はモリタの代表で埼玉の技工所巡りをしているということでサヤカにいらっしゃいました。

早速私の質問攻めを浴びせると、小学生で野球をやって、中学バレーと進み、高校からは6年間少林寺を習っていたということで、小学校の少年団でサッカーをやりながら別所や土橋に野球を習い、中学は野球部で、高校からは武道をしていた私と、何処となく似ていますね、と無理やり意気投合。。。

何と生まれも1965年で一緒でした。 正確には私は早生まれで1966年ですが学年が一緒です。

更に。
私の息子は小学校の6年間「風の子」という大人の政治色の強いwスポーツ少年団で野球をしていましたが、近隣のスポーツ少年団で「南与野グリーンズ」というチームがあり、息子が選手で私がコーチをしているときも、たまに試合をしていました。

なんと、岡野さんの息子さんは現在「南与野グリーンズ」に入団していて野球をやっているとのこと。

初対面ですが、かなりの接点です。
業界用語で表現すると「コンタクト広め」でしょうか・・・

さて、岡野さんはセレックを日本へ紹介した人として、知る人ぞ知る人だそうですが、今日は来年の1月21日に催される、「モリタ デンタル テクニカル フォーラム 2012 東京」の紹介にいらっしゃいました。



大手町サンケイプラザで行われる今回のイベントでは
セラミック関係で 「青島仁 氏」 「湯浅直人 氏」 「遊亀裕一 氏」 「林直樹 氏」が、それぞれ1時間ずつ講演し





デンチャー関係では 「松平浩 氏」 我らが哲っちゃんこと「川島哲 氏」 「松本勝利 氏」が、こちらも1時間ずつ講演。
ベーシックでは「枝川智之 氏」  「土師幸典 氏」 そして熟年笑顔の素敵な「吉澤和之 氏」が、それぞれ1時間講演されるそうです。





全てが1日のスケジュールの中にあり、一人で全部見て回るのは不可能なのが残念ですが、的を絞っていけば楽しい時間が過ごせるかもしれません。


日曜だと混んでしまい立ち見の可能性もありますが、土曜日に開催ということもあって、そういった意味ではチャンスかもしれません。

お時間のある方は如何でしょう。


もちろん、モリタ社製品ご購入の際は「岡野まで」お願いします。 
と、いつもの調子で言いたいところですが、初対面なのでそうも言えませんので・・・



お問い合わせは

「株式会社モリタ」
歯科技工フォーラム東京事務局  03-3834-6164  までどうぞ。