2012年6月20日水曜日

NEW FUJIROCK  vs  New Hi-Rock ≪vol.1≫

超硬石膏対決をやってみました。

なぜこのような比較をやってみようかと思ったかというと、超硬石膏を扱うことが多い中では経済性も少しは考えないといけないと思いつつも、それでも精度が落ちてしまうようなら本末転倒になってしまうということがあり、それなら日常の技工作業による負荷を掛けてみて、どのような差が出るのか?を調べてみれば良いじゃないか!となったワケです。

【王道を突き進むGCからは NEW FUJIROCK   対する  吉野石膏からはNew Hi-Rock


通常のクラウンブリッジを作っている限りでは、模型製作時を除けば水に浸かることは殆どありませんが、義歯製作、インプラント上部構造製作などになると、熱湯をかけられたり、加圧されたり、吸水させられたり、アルコール系の分離材塗られたり、アクロセップ塗られたり、エアーで急速乾燥されたり、油分を含む縮合重合型のシリコンを圧せられたりと、色々負荷がかかります。

そこで、順にやってみました。


シリコン印象された片顎のトレー2つに、それぞれの超硬石膏を注ぎました。
どちらも注いでから24時間以上経過したものをトリミングしました。



1.熱湯に入れて加圧釜で加圧2分、その後水中急冷

このセットを連続5回


違いはありませんでした。
ただ濡れた石膏にエアーをかけて乾燥させようとしたとき、Hi-Rockは色の変化に癖があるのか、それが着色剤のせいなのか分かりませんが、まるで石膏表面がヘタったように見える時があります。もちろん錯覚ですが、錯覚させられるかのような色の変化があるということです。具体的には元の色に戻る前に、グレーを足したような暗い色を経由します。それに比べGCは水分を加えたときから乾燥させるまでの色の変化が自然で、水分を含めばシットリした色になり、水分が飛んだらその分だけ白っぽくなるという自然な色の変化でした。

下がHi-Rockですが、この差を言葉で表現するのは難しいですが、
スタッフに見せると一様に同じような感想を述べます





2.縮合重合型のシリコンで複模型用の印象(のつもり)
色落ちなどはないか




シリコンへの色落ちはありませんでした。
着色剤が油分と反応してシリコン側に付着するか見てみましたが、どちらもありませんでした。




3.ワックス分離材の塗布

全く何も変化なし、差なし。



4.レジン分離材の塗布

これもあたりまえに行われる作業なので、この時点では何もありません。
ただアクロセップを塗布された石膏模型からアクロセップを上手に完全に除去することは、普段から頭を痛めるところです。

今回の実験の最後に、このアクロセップを塗布した部分にエアーをかけた拡大写真を載せます。




5.30分の吸水後にティッシュで軽く表面を叩くように水分を吸う
写真にもありますが、左がHi-Rockで、右がFUJIROCK

 Hi-Rock

FUJIROCK


差が出ると思っていましたが、驚きの結果です。
どちらも同じ程度の色落ちがありました。



6.全てが終了し、顕微鏡レベルで撮影  その2


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