2012年2月21日火曜日

インソール

「小林君に靴をプレゼントするよ」

咬み合せ治療をすすめている浦和の歯科医院へ審美治療の立ち会いで訪問したとき、突然先生に言われました。

咬み合せは頭蓋骨や頸椎、頸筋に大きな影響を及ぼし、当然姿勢にも影響するということから、その歯科医院では整体師さんは勿論、インソールの専門家とも提携しています。


私の靴を担当していただいたのは、インソール開発・販売の岩田理さんです。
岩田さんは平成18年度川口新製品開発振興奨励制度受賞者でもあり、2007年には東京新聞でも紹介されています。






さて、実際に私の足の状態を調べてもらいました。

 版画のようなものだと思います


そこに普通に立ち、左右の足裏に掛かる重さ分布を見ます


左右を別々に印記しましたが、並べてみるとこういう感じになりました。
さらに、足の長さ、胴回り?の長さ、足首の長さを計測し記入します。


漠然とは分かっていましたが、私の足は左の方が大きいということがハッキリと分かりました。
左足が27.7センチに対して、右足は27.5センチです。
いつも靴を買う時は「左がキツイので左に合わせないといけない」とは感じていましたが、0.2センチの差があるとは知りませんでした。
さらに、人差し指(親指のとなり)は左足は親指より長く、右足は短いということもハッキリしました。




絵が下手ですが・・・・・


既成の靴でも問題ない人というのは上図の①~③がほぼ同じ長さの人だそうです。



改めて私の足を見てみると、長さの割に薄い足だということが分かります。
さらに、足型の墨の濃さに注目していただくと、左足のカカトと右足のつま先に体重が掛かっていることが分かります。

するとクサビ状の薄い板を左足のカカトの下に入れたり、外したりしながら体のバランスを見られました。。。

これらのことを踏まえ、私専用のインソールを、私専用の靴にオンリーワンの適合精度で作ってくれるそうです。

完成はまだ少し先になるようなので、後程出来上がりの靴の写真、また実際に履いた感想、動いてみた感想なども掲載します。










2012年2月20日月曜日

田中先生のブログ

青山田中歯科医院の田中先生がブログを始められました。


顎関節症と義歯についてをメインに取り上げ、今後も執筆されるそうです。
かなり内容の濃い、実践に即したものになるのではないかと思っています。


こちら有名なOkesonのTMDですが、田中先生も基本のバイブルにしているそうです。





伺っときに、先生が執筆された本を頂戴しました。
2004年の5月に発行されたものです。


田中武先生のブログは こちら


週末の本の話など

金曜の夜は大宮法科大学院大学へ認知症に関するセミナーへ行く予定でしたが、PIBケースが重なったことと、私のミスが原因で思ったようにCAD作業がはかどらず、結局勉強会へは参加できませんでした。





ちなみに今週の金曜日は浦和歯科医師会で「インプラント補綴を考える」という題目で、東京歯科大学臨床教授の武田孝之先生が講演をされるので、伺ってこようと思っています。

 
さて、週末の本の話ですが。。。
宮部みゆきの「模倣犯」(全5巻)を読み終えました。、特に後半の4巻5巻あたりは読むのが遅い私でも一気に読み進めてしまいました。
2人組の男が何人もの女性を誘拐しては殺すという話がこの物語の軸にありますが、残された被害者の家族がどのような思いで日々を過ごし、何を責めて生きていくのかなどが、しっかりと描かれていました。

既に模倣犯を読んだことのある人は、その部分を感想として書くのは変だと思うかもしれませんが、折しも今日は山口県光市の母子殺人事件の元少年の死刑が確定されました。

もう5年以上前のことですが、私は山口の母子殺人事件について色々と調べていたことがあります。
特に本村洋氏の訴えに感銘した部分があり、彼はいつ何をどう言ったのか?を追いかけまくったことがあります。

そのせいもあってか、模倣犯への感情移入も人一倍強かったのではないかと思います。
本村氏については こちら 


サヤカの一番若いスタッフに今日の裁判所の決定について感想を聞こうとしたら、事件そのものを知らないと言われてしまいました。。。



 




2012年2月17日金曜日

保険のインプラント義歯  ‐追記‐

保険でインプラント義歯が出来るようになるようですが、誰がどこで話し合い、どれだけのお金がどう動いたのかと勘繰りたくなるような内容です。


http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021670.html  (医療機器の保険適用について)総-1

資料を見ると、このままいくようであれば保険治療でAll on 4が出来ますし、デンチャータイプに限らずサブストラクチャーで歯冠部にはプレシャス系金属を使ったメタルボンドも出来ちゃうようですね。
今後の布石でしょうか。
メタルボンドだの、ハイブリッドだの言っても、もちろん使う材料は山本貴金属のメタルで、山本貴金属の陶材で、ハイブリッドを使う場合も山本貴金属のハイブリッドのようです。



こういった治療が保険診療で可能になるからには、今後の歯科医師・歯科技工士の国家試験にも影響するでしょうし、当然授業でも教えていかなければならなくなるのだろうと思います。




日本の保険診療のことですから、全て日本の企業で構成しても良かったのではとも思いますが、しかし、ここまでの材料の指定は必要なのでしょうか。

生臭さ満点で、笑えます。

明治初期からの国の体質は何も変わっていない、とは大前氏が言っていましたが、大きなことも小さなことも全てにおいて本当にその通りだなと、少々ガッカリしました。









さて、今夜は大宮法科大学院大学で行われる研修会へ参加してきます。

「もの忘れ相談医との連携について
~さいたま市地域包括支援センターアンケート結果より~」

後日レポートします

2012年2月16日木曜日

上下フルマウス FINAL

昨日は午後から青山田中歯科医院へ行ってきました。

昨年の12月に仮付した上下28本分相当、インプラント=14本+3本+4本、ブリッジ=7本の最終調整に立ち会わせていただきました。

過去の記事はこちら
仮付当初にも「歯間ブラシが通らない所がある」と衛生士さんから言われていましたが、オベイト部などを含めた貧血帯がどのようになったかも含めて、見させていただきました。

上顎フルブリッジを外した直後は、アバットメント、歯肉の状態からみて一目で良い状態であると判断でき、先生からも「良い状態だね」と言っていただけました。残念ながら口腔内写真は撮れませんでした。

さて最終調整ですが、目標は「歯肉を押し付けるオベイト形態の部分以外は、歯間ブラシが通る」という形態修正です。

インプラントの場合は特に、形態的には歯間部であっても実際はインプラント部であったりすることもあるので、なんでも間を空ければ良いというものではなく、それでも「歯間部からどうやってブラシを入れて清掃するのか?」という形態を可及的に付与しなければなりません。

まずは先生と衛生士さんが全ての歯間相当部分にSSSの歯間ブラシを入れてみます。
そして「OK部」はスルーし、「入らない」と「途中まで入る」がある場合は部位を私に告げます。
私は先生の後ろに立ち、ミスのないようにメモをとります。




作業場で形態修正・研磨をすると同時に「ココは入りません」の位置も明確にします。
調整後、補綴物を口腔内に戻し、再度先生と衛生士さんが歯間ブラシでチェックしていきます。




上顎は歯間相当部にインプラントがある部分以外は問題が解決されたので、セットの準備が進められました。




下顎は左側のPIBの一部が「歯間ブラシが通りそうで通らない」が何度か続き、4回目の試適でOKが出ました。


先にOKが出た上顎からセットされていたので、下顎もそれに続いてセットされていきました。

全てのセットが終わると、衛生士さんと情報の共有をするということで、担当の衛生士さんを呼んで「左上2番相当部と下顎の中切歯のトコロは入らない。 それと下顎小臼歯部は歯間から遠心に傾けて通すように。」と指示をしていました。




患者さんは衛生士さんとメンテナンス専用のチェアーに移っていきました。
衛生士さんは「磨き方の確認」をし、そのまま患者さんに「磨き方のレクチャー」をするようでした。
前述の「入りません」の位置もキチンと伝え、そういう部分は頬舌から別々に清掃してもらうよう指導するとのことでした。



そういえば、チェアーが新しいものになっていました。

これまでのKAVOのハンドピースがそのまま使えるという優れものだそうです。

チェアーを変えたは良いけれど、タービンが変わってしまい使いづらいという話は、これまでにも何度か聞いたことがありますが、タービンが変わらないで済むのは良いですね。

昨日は咬み合わせ勉強会

昨日といっても日付は一昨日ですが、火曜日の午後は恒例の咬み合わせ勉強会でした。

床拡大装置による拡大の第二幕ということで新たに作り直した拡大床のセットや、咬合平面の設定がヘンテコリンな総義歯の平面を、その場で咬合器マウントして修正するという荒業を経験させてもらいました。

今日、といっても日付は昨日ですが、水曜日の午後は青山田中歯科医院へ昨年の12月にセットした上下28本フルマウスリコンストラクションの最終調整に立ち会わせていただくため、伺ってきました。



詳細は明日書きます。

2012年2月15日水曜日

人生について

もう5年以上前のことですが、私がいつも見ていたHPがありました。
趣味で自転車に乗っていたころに見ていたHPで、自転車乗りが日記を書いているものだったのですが、自転車で何km走った、自転車パーツは何が良いのか?などといった自転車乗りの日記に「ありがち」な内容ではなく、「自転車乗りは何故すね毛を剃るのか? 私は絶対剃らない」や、「鼻歌を歌いながら40km/hで走り続ける方法」など、少し変わったテーマがほとんどで、しかもその文章力は天才的で、常に読み手を引き付けるものでした。

そのHPで書かれていた文章に、当時とても感動し共感したものがあったのですが、その詳細までは覚えておらず何とかもう一度教えてもらえないだろうか?と思い、メーリングリストに登録していたアドレスをヤフーメールで探してみると・・・

ありました。
最後にメールのやり取りをしたのが2006年でした。

6年前のアドレスが生きているかどうか分かりませんでしたが、それしか頼るものがなかったので、ダメで元々で「以前HPで書かれていた人生12年周期の話を教えてください」と、今週の月曜日に怪しいメールを送ったところ、ナント翌日の火曜日に返事がありました。

そして、親切なその方は、丁寧に自説の12年周期について教えてくれました。


以下が、メールの一部を抜粋したものです。


私は人生を12周年(干支で一回り)で考えるとなかなか興味深い、というのを
現在も若手に教えています。つまり人生に節目を作って、その時に求められている役
割を12周年で完結させて、次のフェーズに向かいなさい、ということですね。

0-12
歳「子供期」:

人生の基礎となる、喜怒哀楽をしっかりと身に着けて感受性を高る。


13-24歳「青年期」 :

大人のために基礎となる学びを身に着ける。
スポーツなどを通じて健康な体を作る。

25-36歳「大人期」:

社会人として、大人として、父親、母親として様々な経験を身に着け、
社会の中核となる大人になる。

37-48歳「円熟期」:

大人期で身に着けたものを最大限に発揮し、働き盛りとして社会に貢献する。

49-60歳「貢献期」:
円熟期の経験を生かし、後進の育成に尽力する。
社会貢献も行う。

61-72歳「老年期」:
社会からも認められるような、円熟した人生で人々の目標となる。

72歳以上「おまけ」:

毎日毎日を神様に感謝して、大切に生きる。



当時の文章に比べかなり省略されているそうですが、確かにこの内容でした。
今読み直してみても、なるほどなと感じ入ることが出来ます。

この方はいわゆる「ライター」としてTV局に原稿を書いていたり、業務改善の専門家として専門誌に連載したりしている方だそうです。

インプラント PIB 立ち会い

昨日はPIBのモックアップ立ち会いに行ってきました。 
訪問した歯科医院は大宮の大竹歯科クリニックです。

ちなみに、HPのトップ画像のe.maxも大竹歯科クリニックでのモノです。 HPへ

PIBは先月このブログで写真だけ掲載したケースの続きです。

ファーストインプレッションでは前歯相当部の2本はインプラントレベルでしたが
2度目の印象採得で前歯相当部2本がマルチによるアバットメントレベル、
小臼歯相当部2本はリプレイス・レギュラーで大臼歯相当部2本はリプレイスのワイドです




現行のTEKの状態です

そのTEKをチェアーサイドでコピーさせていただきました


フレームによるポジション確認と
TEKのコピーをファイナル仕様に改造したモックアップのトライが同時に行えます

顎位が安定した状態のTEKをコピーさせていただいた場合は
コピーの精度にもよりますが、咬合採得のみの工程を省くことができます



修正前の状態

ここから微妙な正中の修正、咬合平面の見直しなどを入れ込み
モックアップトライ終了として、お預かりします









2012年2月13日月曜日

田中先生からのメール


小林様



今日はうれしいことがありました。

誰かに伝えたくてメールしました。



昨年秋に北海道大学の工学部の学生が、顎関節症からくる

体調不良を訴えて治療に来ていました。

この方の治療は3Dスプリントを入れ3回で完了し、

見かけ上の身長も高くなり、体調不良も解決できました。

学生さんは長野県東御市出身でした。

彼のお母さんも同じような症状があるということで東御市から

受診され、症状が解決されました。

その後、昨年末にお母さんの友人の御嬢さんが

うつ症状がひどく、どうしても高校(高校3年生)に通えないで休学状態であり、

「ひょっとして噛みあわせからきているのではないか」

ということで来院されました。

矯正の既往があり、全身正面写真では体の歪みが

ひどい状態でした。

MRICTを撮り、日大松戸の●●教授に読影を依頼しました。

●●教授のMRI所見では、関節円板前方転位という診断でした。

もう一度、診査しなおしたのですが、関節円板前方転位に

相当する所見が出てきませんでした。

そこで、3Dスプリントを入れることにしました。

今年初めの診察では、あまり芳しい結果は見当たりませんでした。

今日約束通りお見えになりました。

全身写真ではかなりの歪みの修正が見られました。

何より驚いたのは、一日20錠飲んでいたロキソニン(鎮痛消炎剤)が

0に、デパス(抗うつ薬)3錠が0に、現在服用している薬剤は

メラトニン1錠のみとなり、来月からは上京し予備校に入り

大学で英語を学びたいそうです。

今度、●●さんがお世話になるとき全身写真もお見せします。

顎関節症からくる精神障害を改善できた患者さんは、何人も経験していますが

これほどの改善を見たのは初めてです。

原因は歯科治療にあったにしても、歯科医冥利に尽きるケースを

体験することができました。





田中 武 』





今日の朝、青山田中歯科医院の田中武先生からメールをいただきました。

読み進めるとその内容にとても嬉しくなり、多くの方々に知ってもらえたらと思い、
田中先生に「ブログで紹介させてください」とお願いしたところ快諾していただけました。

週末の本の話など

もう20年ほど前に知り合った後輩の友人が、吉川で開業して頑張っていると聞きました。
レインボーデンタルの橋本君といって兄弟で技工士です。
私は「橋本兄弟」と言っていて、今年も年賀状を頂き「ブログ見てます!」などと書いてくれていました。

若いからこその真直ぐな性格が良くも悪くも前面に出て、エネルギッシュな雰囲気は傍から見ていて危なっかしくもありましたが、今ではProgramatも導入しe.maxを手掛けて意気揚々と社会に貢献しているということを聞き、とても嬉しくなりました。



さて本の話ですが。。。
弊社リースを担当していただいている武銀の方がいて、かなりの読書家のため私と妙に話が合い、営業にいらっしゃるといつも本の話をしています。
その方が先日いらしたとき「蜩の記」は良かったですよぉ~と、おっしゃっていました。

すると、先週青山田中歯科医院の田中先生からのメールの最後に「 直木賞受賞作・葉室麟 「蜩の記」読みました。読み応えがありましたよ!」と、やはり蜩の記を薦めて頂きました。

今は宮部みゆきの「模倣犯」 1巻~5巻 のうち2冊が読み終わったところだったのですが、こうなると「蜩の記」を読まずにはいられません。

ということで、週末に蜩の記を読んでみました。
歴史小説なので登場人物の肩書や名前などが理解しがたく読みなれない人もいますが、藤沢周平や司馬遼太郎、加藤廣の作品で慣れているため、楽しく読むことができました。


武士として、という男の生き様を描いた作品だと思いますが、「どう生きるか」より「どう死ぬか」に重きを置き、だからこそ自分以外の全ての人のために生き続けられたのだと感じました。
今回の芥川賞作品と違い、読み終えた後一種のカタルシスを得られる本です。


楽しく読み進めている模倣犯は1巻~2巻が読み終わり、日曜日に3巻~5巻を購入するために大型の本屋へ行きましたがたまたま在庫しておらず、駐車場代を払うのももったいないので買う予定ではなかった「沈まぬ太陽」を買いました。



また長編の4冊モノですが、模倣犯と合わせてユックリ楽しみたいと思います。

先ほど武銀リースの方がみえたので、この話をそのまましていたら、「沈まぬ太陽の後は是非「不毛地帯」を読むと良いですよ!」と言われたので、じゃ次は不毛地帯だなと自分の中で予約を入れておきますが、またそれも5冊モノなんですよね・・・
私は本を読むのが遅いので、少々気が遠くなりますw

2012年2月10日金曜日

審美義歯製作

セラミックでも義歯でも昨今は色々な材料があるので、それらをどう使いこなすのかというのは技工士にとって重要な事柄になります。

1つの技法に拘れば他を知れませんので、常に頭を柔軟にしておかなければなりません。
そこで今回はカンデュラとハイブリッドのハイブリッドを試してみました。
ややこしいですが、カンデュラとハイブリッドの良いとこを合わせたものです。


カンデュラの下地にハイブリッドを1mm以下(実際は0.5mm前後)の築盛量で表現していきます。


カンデュラはフラスコ内の石膏に盛りつける技法が一般的ですが、上手に仕上げるには高度なテクニックとかなりの経験が必要ではないかと思っています。
パッケージやメーカーの紹介写真を見ると頭の中では美しいモノが出来そうに想像できますが、限られた時間での作業という実際の臨床で思い通りの表現をするのは至難の業だったりまします。

安易に扱うと一般的には立体感が無く表面的な表現になりやすく、リアル感も乏しくなってしまいますが、血管の表現とと白っぽさなどの大きなグラディエーションの表現はハイブリッドでのそれと比べると格段にやり易いということが言えると思います。

ハイブリッドは歯肉の透明感を表現するには持って来いですが、、築盛量が多いと驚くような収縮による義歯全体の変形につながることもあります。一般的に重合~形態修正が終了した義歯をカットバックして盛り付けて表現していきますが、そのカットバック量の取り扱いは慎重にしなければなりません。
また、ハイブリッドでは全体のグラディエーションなどの大きな色の移り変わりなどの表現が難しかったり、血管の表現などは元々考えられていなかったりもします。



カンデュラで下地作りをしたところです

カンデュラはマスキング効果が高く、
ハイブリッドを薄く盛る下地つくりとしては優れていると思います

この段階だけ見ると「なんじゃこりゃ~」です


ハイブリッドをどう接着するかということですが、それはいずれゆっくり紹介します


ハイブリッドを0.5~1.0mm築盛し、形態修正したところ
ハイブリッドの築盛では、いわゆる「赤」や「ピンク」などは一切盛っていません





カンデュラのみで仕上げた場合、義歯の研磨面は筆積みの即時重合レジンになり、質感や変色の問題もつきまとうため出来上がった直後は良いかもしれませんが、経年変化による問題も出てくることも考えられます。

前述していますが、ハイブリッドの築盛量はその増加に比例して変形のリスクも増すという問題があります。

しかしこの方法を上手に利用できれば、難しいカンデュラによる表現だけに頼ることなく、直接目で色を確認しながらハイブリッドを盛り付けていくことが出来ますし、ハイブリッドの厚みを1mm以下に抑えて変形のリスクを無視できます。

カンデュラによるマスキング効果と血管模様などの下地と、透明感を持ったハイブリッドの質感表現との相乗効果により、耐久性を兼ね備えた作り物に見えない入れ歯を表現できるのではないかと思います。





今回は「治療用義歯」の製作依頼があったのですが、このケースで審美義歯を試させていただけないかと先生に相談したところ快諾していただけたので、今回の製作になりました。





製作 DT佐野

2012年2月9日木曜日

またテレビで・・・

先日もたけしのTVでTCH(歯列接触癖)が取り上げられていましたが、今夜はカンブリア宮殿で「~本当に患者が喜ぶ歯科医院とは~」という題で放送されています。

帰宅してジックリ見直しますが、最近は歯科のメディアでの露出が多いですね。

それ自体は悪いことではないでしょうが、何かと「歯科」が担ぎ上げられるというか、変な意味でも狙われている部分もあると感じています。

材料代のカード払いなどは、話だけは随分以前から耳にしていましたが、最近はその営業の圧力が増しているようです。

どこで何がどうなっているのか、などなど 色々と想像が膨らみます。

2012年2月8日水曜日

昭和41年

先月のことですが、私の誕生日ということで生保の方から「おもいで新聞」なるものを頂きました。


【あなたと同じ誕生日の人】
●三浦友和
●新庄剛志


【昭和41年に流行したものごと】
●マッチポンプ                        
●カー、クーラー、カラーテレビが”3C”と呼ばれる  
●映画「人類学入門」 「白い巨塔」      




【昭和41年 話題の本】
●三浦綾子 「氷点」     




【昭和41年 流行った歌】
●星影のワルツ
●君といつまでも
●こまっちゃうな
●バラが咲いた


【昭和41年 物価】
●食パン   40円
●コーヒー  80円
●映画   500円
●入浴    28円


【昭和41年  0歳時の出来事】
●札幌発ボーイング727 東京湾に墜落
●ビートルズ来日


【昭和51年 10歳時の出来事】
●王貞治が715号ホームラン
●具志堅用高 フライ級でチャンピオン


【昭和61年 20歳時の出来事】
●チャールズ皇太子、ダイアナ妃来日
●チェルノブイリ事故




ネット社会ですから調べようと思えばすぐ調べられますが
では、調べるのかというと調べません。

だからこうやって記してくれると面白いですね。


なるほどと思ったり、 懐かしく思ったり、 え?そんなだったの?と驚いたり。








インフルエンザが流行っているようです。
ちょっと気を付けましょう。

患ってしまった方は御大事に。

2012年2月7日火曜日

GC Livdent のshade

先日コーヌスの試適をした先生から「人工歯の色がガイドと全然違って白いんだけど、ちゃんと指示通りの人工歯を使ってくれたのか?」という電話がありました。



人工歯はGCのLivdentで、Shadeは『112』です。

こちら112の人工歯

こちら112のシェードガイド


もちろん使ったものは間違いなくGCのLivdentですしshadeも112です。


対合の下顎には昨年作ったコーヌスが装着されていて、その時に使った人工歯がGCのLivdentで112のshadeだったということから、今回の上顎でも同じ人工歯を使おうという流れでした。

が、人工歯を注文し、その人工歯の色に合わせて外冠の前装部にハイブリッドを築盛&仕上げして試適に出したところ、冒頭の「人工歯の色が違う」という連絡が入ったものです。



色を変えたのか? 誤差の範囲か?? 
などなど色々と想像はできますが、最近GC本社に出入りさせていただいている佐野が人工歯そのものを持っていき確認してもらったところ、すぐに製造元へ確認してもらえましたが「製造の方では何も変えていない」、「そういったクレームは受けていないので、特に問題はないはず」、「あるとすれば違う人工歯がプレートに乗っているなどの人為的なミスではないか?」との答えでした。


実は人工歯を頼むときモールドの違いに対応するため、shade112のテーパリングとオーボイドを注文していて、その二つとも同じshadeだったということから、置き間違いなどの人為的なミスという確率はかなり低いということが分かります。


とりあえず、意見をまとめたうえで実際に見ていきます。

先生 :「昨年使った人工歯は問題なかったが、今回使った人工歯はガイドの色と違う」
GC  :「何も変えていないので、変わっていないはず」
製造元:「そういうクレームは入っていないので・・・」

真ん中が112のシェードガイドで、両脇が112の人工歯です




実際に見比べてみると、色の違いが分かりづらい写真でも人工歯の方が白いということが一目瞭然です。

追い打ちをかけるようですがサヤカで測色してみたところ、やはり人工歯はガイドに比べ白く明るいことが分かります。




昨年の人工歯は今回の人工歯に比べ確かにガイドの色に近いです。
それに比べても、またはガイドに比べても今回の人工歯は白いということも分かりますが、これは「変わった」のか「誤差」なのか、あるいは「変わっていない」となるのか、出来ればハッキリしてもらいたいところです。

人工歯の並べ替えだけでも手間と材料がかかりますし、コーヌスなどの前装が入った場合は焼き落として築盛のやり直しなどなど、後戻りする距離が相当長いモノになります。

歯科では「色」は常に関わっていかなければならないものです。
先日は咬合の統合で話をしましたが、色も統合出来ないモノか?と思います。
VITAがあって、VITAに準じた各社のガイドがあって、3Dがあって、人工歯用の番手があって、と何か変だと思いませんか???

さらに例えば「マニュアル通りに作っても色は出ない」などが当たり前に言われる築盛システムだったり、ガイドの色とは違う色の人工歯だったり。。。

これが普通だと言えば普通ですが、一歩引いてみると変です。

全体が一つの目標を持った組織と考えるなら、基準が曖昧すぎです。



仕方ないので他社の人工歯で似た色を探し、前装部も盛り直しになりました。。。

2012年2月6日月曜日

週末の出来事

私の父はもう10年以上前に69歳と約11か月の節分の日に他界しましたが、先週亡父のお兄さんが他界しました。94歳でした。

それでも晩年というか74歳からは車椅子での生活だったので、周囲の家族も大変だったのではないかと思います。

昭和6年生まれの父は元々10人兄弟でしたが普通に生きながらえたのは6人だけで、その中では末弟でした。 生きながらえた6人のうち父を含めて5人は既に他界しましたが、私が子供の頃の親戚たちとの思い出などを振り返ると、大正から昭和にかけて生まれてきた人たちの荒々しい息遣いを昔の町並みとともに感じることが出来ます。

おじさんにもらった100円玉を握りしめて、おもちゃ屋さんにプラモデルを買いに走っていたのを今でも鮮明に思い出せます。



さて、話はガラっと変わり本ですがw
邂逅の森があまりに秀作だったため、もう一度読み直そうかなどと考えながらも、とうとう禁断の「模倣犯」に手を伸ばしてしまいました。なぜ禁断のという表現をするかというと、模倣犯はかなり長い小説で新潮文庫では5冊にまで及ぶものだからです。 長い時間を支配されるので、なかなか手がでませんでした。

長い小説だから冒頭は抽象的な話でフワフワするのかと思っていたところ、それが全くの見当はずれで、いきなり引き込まれました。。。

最近は新しいことへの取り組みのためマニュアル本なども数冊抱えながらの読書のため、今まで以上にスローペースでの進行で今はまだ2冊目の途中ですが、この本は先々がとても楽しみです。

春ですから、色々変わりますね。
国家が維持できなくなったら日本は日本でなくなるでしょうから、国を運営しているつもりの人たちには頑張ってもらいたいものです。インプラント義歯は保険導入されるようですが、その他も噂は色々ありますね。時代の変化に上手に対応していかないとなと考えています。

2012年2月3日金曜日

掃除の習慣

技工所をキレイに保つのは、それはとても難しいと思います。

では汚くて良いのかというと、それは働く人にとっても良くありません。
訪れる人も不快だと思います。


普通技工所では掃除は働く人がやらなければならず、面倒だけれどそれは働く人のためでもあるといえば、理屈は分かるけどそんな時間は。。。などという話にもなります。

結局のところ働く皆がどう意識を持つかの問題となります。



サヤカは開業した15年近く前から「サヤカさんはキレイですね」と言われてきました。
かなり雑然としながらも、他社との比較で言ってくださる材料商、メーカーの方々は、そうやって評価してくれます。

そんな弊社でも、忙しくなれば最初に御座なりになるのがやはり掃除です。
毎朝15分は掃除の時間を取り全員で掃除していますが、どうしてもマンネリ化してきてしまい、いつもの人はいつもの場所だけやって終わり、となります。

逆の言い方をすると目の届かないトコロは ずーーーっと汚いままになります。



今年に入り、弊社の衛生局長である野口が「一日一カ所掃除」というものを提案しました。

それは朝の15分の掃除の時間以外に、働いている時間に「気づいた場所」を掃除し、夕礼のときに「今日は●●を掃除した」と皆で報告し合うというものです。「なし」は無しです。

これがなかなか良いです。

自分は気づかないけど人はそんなところに気づくのか、といった発見にも繋がります。
まぁ本心は「自分の仕事は掃除じゃない」などと悪ぶる輩もいるかもしれませんが、そういう子供的な発想は放置ですw


普通、中で働いているとなかなか実感できるものではありませんが、以前に比べ作業場がいつもキレイになったのは間違いありません。


夕礼での発表では良い意味での張り合いも出てきます。

面倒だと感じることもあるでしょうが、
結局は働く皆のためになるものですから、今後も続けていければと思っています。

2012年2月2日木曜日

セレックの適合  その2

先日セレックで削り出されたクラウンがどの程度適合するのか簡単に紹介しました。 こちら

後日sironaの小林一平氏からカタログが届き、今日改めて電話でも説明してもらえました。

適合に関してはマージンが縁上であれば全く問題ないそうです。
縁下の場合はそのデジタル印象の性質上やはり厳しいので、そういう場合はCRでマージン位置を縁上に修正することもあるとのことでした。

それならば、かなりの適合も出るだろうと容易に想像がつきます。
ブロックの進化、多様性などを合わせて考えると、恐ろしいものがあります。


CERECは特に全体のシステムとして大変魅力的なものであり、今後のcloudcomputingへの関わりも含めて考えると、自由診療補綴のスタンダードシステムの一翼を担うのかもしれません。


元の形をそっくりに再現できるそうです
コピペなどコンピューターの得意技ですしw



ソフトウェアが対合関係を自動分析するので
印象材による咬合採得は必要ないそうです


外科などの一部の先生を除けば、お医者さんというのは「薬」「機械」と「患者」を結ぶ中間業者と言われているところもあるようですが、ようは科学者と患者を結んでいるということでしょうか。

歯科でもこうなってくると補うだけのモノは、システムの値段の問題もあるので一気にとはいきませんが、少しずつ、でも間違いなく確実に、こういったシステムにとって代わるのだろうと思います。






2012年2月1日水曜日

GC スプリントレジン LC

床拡大装置でのアーチを広げる矯正に取り組んでいますが、かなり動くようです。
アーチの改善は咬合平面のそれと同様に睡眠時無呼吸の改善にもつながるものなので、患者が訴える体調の不調も激減しています。

そこらへんは追々写真付でレポートします。

さて、スプリントレジンLCという商品がGCから発売されています。



湯で温めてから歯型に圧接し、光による仮重合で撤去してから本重合するというものです。
フルアーチでもいけそうですし、臼歯のバイトアップにも使えそうです。




本重合後に形態を整えますが、アンダーカットへの入り込み調整具合は、盛り足しで修整できるそうです。

これは手軽で良いなと思いました。
その簡便性を利用すれば医院における咬合治療の幅が広がるのではないかと思います。