場所 :名古屋
日時 :2013年2月17日
2013、2.18
WELDENZ(ウェルデンツ)とは?
近年、金属アレルギーの問題や金属の高騰などによりメタルフリーが注目されているが、今回受講してきたウェルデンツとは薬事認可を受け(韓国、アメリカ、シンガポール、オーストラリアでも)特許も取得したメタルフリーやノンアレルギーを目的に開発された新素材の歯科用樹脂材料です。
ウェルデンツは口腔内の厳しい環境下でも化学的に安定し、力学的特性、生体安定性にも優れたポリプロピレン共重合体でその長所は
1、吸水率がきわめて低く衛生的である、臭わない(0.01%以下)
2、強靭なため補綴装置を薄く仕上げることができる
3、比重が0.94と軽く、装着感が良い
4、加工性に富む
5、柔軟弾性を有するため応用範囲が広い
6、アレルギー反応を示さない
短所としては
1、接着性がないため機械的維持に頼らなければならない
2、耐摩耗性に欠く
3、一時的に表面に色素が付着(唾液によりほとんどが分解)
4、表面塑像がおきやすい
5、定期的なメンテナンスを要する
PMMAなどよりも優れた点も多くさまざまな症例に対して応用可能と思われる。ウェルデンツは熱可塑性を有していて、熱めのお湯にフルデンチャーを入れると、薄く仕上げた口蓋部はグニャグニャになるほどで、この特性を利用して義歯をいれていると口腔内の温度によってより吸い付くように適合するという(オブラート効果)
また、歯冠色とガム色がそれぞれ3色ずつあり主な応用例として
1、ホワイトクラスプデンチャー(歯牙や床にはウェルデンツを使用したり人工歯やアクリルレジンを使用することも可能)
2、ノンクラスプデンチャー(口蓋部の床の厚みは0.5㎜以下でも制作可能)
3、コーヌスデンチャー
4、インレー、アンレー/内冠アタッチメント
5、コア(平行性のないポストでも柔軟素材のため深部まで再現可能、)
6、着脱式ブリッジ(隣在歯を削ることなく制作可能)
7、硬質レジンジャケット冠(保険適用、割れないジャケット冠が制作可能)
8、インプラント アバットメント・上部構造体
9、ナイトガード
などがあげられるが、このウェルデンツは他材料との接着性がなく、人工歯には維持孔を掘り機械的維持をつける。ウェルデンツはどうしでも化学的接着には条件があったりと、今までの材料とはできること、できないことがかなり違う。ウェルデンツは開発されてまだ日が浅く、アイデア次第でさまざまな応用が利き、まだまだ分からないことがある分未知の可能性を秘めているとも感じた。早くウェルデンツを作ってみたい、使ってもらいたいと思う魅力を持っている。
DT. 野崎裕介
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