2011年6月14日火曜日

日本顎咬合学会   リポート 2

筒井先生の後は今を時めく今井先生、山崎長朗先生のアンテリアガイダンスとバーティカルディメンジョンの決定方法と続きます。山崎先生の講演は観たかったのですが、テーブルクリニックで重村氏が演じるということで、山崎先生のほうはDT野口に託し、私は展示ホールへ向かいました。

展示ホールでは、メーカー各社を回りましたが特に印象材を調べました。

インプリント3は王道で有名ですが、ヨーロッパで一番売れているというデンツプライのアクアジル ウルトラB4と、以前にこのブログで紹介した白水のパナジル イニシャルコンタクトです。

アクアジル ウルトラB4はB4リキッドを被印象面に塗布して印象するというもので、そのリキッドを塗布するとヌレが良くなるということです。
そこでチタンやジルコニアにも塗布すればヌレが良くなるのかを質問しましたが、元気印の鈴木さんも、たまたまそこに居合わせた元貴和会の衛生士さんも、それは分からないと言っていました。

でもHPには「あらゆる物質のヌレ性を高い状態で標準化することができる」と書いてありますね。


さ、そんなこんなで重村氏のテーブルクリニックです。

咬合の話というと、咬み合せによって不定愁訴が出た、咬み合せを治したら不定愁訴が治ったなどということが聞かれるけれど、本来あるべき、補綴物を作っていくうえでの咬合の原点とは何か?を明朗に語っているものでした。

まずは「チェックバイトは正しいのか」から始まり、これまで当たり前とされてきた「患者にとってちょうど良い位置」に疑問を呈し、本来あるべき適正下顎位は?と展開していきました。

確かに経年的に変異していく顎位は時間軸で見た場合には患者さんの人生分存在しているもので、では一体どの時点の位置に戻すことが良いのか?というととても難しい問題だと思いますし、明確な答えは出ないのかもしれません。




患者さんのX線画像を元に顆頭の変異を診断し、適正位に誘導するための3次元的数値を導き出し、導き出した数値を正確に再現できるカスタムメイドした咬合器にうつし、そこでフルマウスリコンストラクションをするというものでした。

下顎枝の前方だけを見るこれまでの考え方ではなく、口腔の崩壊やパラファンクションなどによりバーティカルの喪失、ローリング、顆頭のエロージョンなどなどを受け、顆頭が本来あるべき適正位からどのように変異したのか、そしてそれを戻すためにはどうしたらよいのか?を取り組む新しい考え方ではないでしょうか。

新たに作られたバイトは、患者さんの習慣的咬合位とは異なり、最初は咬めずに違和感を訴えるそうですが、早い人は1時間足らず、遅い人でも数日で作られたバイトに違和感を訴えなくなり、その後にX線画像による診断をすると、顆頭がみごと適正位に誘導されて安定している、というものでした。


このブログで何度も言っていますが、咬合治療というのは色々な意味で難しいものです。
患者さんに対して問題提起するのも難しいです。
「私は噛み合せで困っていません」と言われたら、返す言葉もありませんw

そういった意味では、重村氏の提唱するこの考え方は、患者さんに対して明確に「ここに問題があるので、こう治しましょう」と言え、「こう治りました」と言える咬合治療なのではないかと思いました。

圧巻はスライドのエンディングでした。
まるで映画のエンディングを見ているようなキレイな映像と音楽に包まれました。

なんでもフランスで流行っている音楽だとか言っていましたが、私は知りませんでした。


Japan Craft,JPI では(HPは未完成のようですが・・・)

咬合診断・治療コース と Dental Graphicsコース があり、近いところでは咬合診断・治療コースは早々に一杯になっているようです。


今後もQDTや歯科技工などでも症例が紹介されると思うので、注目していきたいと思います。



テーブルクリニック終了後、受講していた人たちに向かって
「ここに飾られている写真、好きなの持っていてください」と、重村氏。
色々な講習会など出ていますが、そんなこと言うのは初めて聞いたのでビックリしましたが、隣にいた恩田に「あれ、右の壁左の真ん中の写真」とすぐに指示をだし、一番良いのをゲットしましたw





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