2011年4月5日火曜日

苦役列車と義援金泥棒

週末に買い物の運転手を務めたとき、少し待ち時間があったのでフラッと書店へいき芥川賞の「苦役列車」を購入しサラサラっと読んでみました。

肉体労働でその日暮らしをしている19歳の少年の物語です。
一日働いて5,500円の賃金で昼食代の200円が天引きされ手取りは5,300円になります。
毎日働くわけではなく、ギリギリ生きていくための労働です。

凄まじく生臭い本で、読み終わって「なんだこれ」と思いましたが、時間が経ってふと本のことを思い出すと、物語の節目節目が走馬灯のように生々しいシーンとして頭に蘇ります。

そうしていたら、週明けに義援金泥棒が捕まりました。
19歳の少年で犯行理由が「生活費に困って」というものでした。
私はふと苦役列車を思い出してしまい、普段なら「なんという不謹慎な」などと100%侮蔑する思いになるのでしょうが、「・・・バカな奴だな」となんとも歯切れの悪い、同情半分とまではいきませんが、変に悲しい気分に浸ってしまいました。

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