2013年3月13日水曜日

ウェルデンツ  その2

少し落ち着いていた金属相場が、為替の煽りを受けて乱舞しているようです。
今後も世のなかの方向は変わらないでしょうから、歯科材料のあり方は今後もしばらくは模索し続けるのだろうと想像します。

そのリスクは誰が追うのか? 患者です。 などという歯の浮くようなセリフも、現実がかき消すのかもしれません。

誰かに確認したわけではありませんが、今の時期は材料商の売り上げが高いのではないかと思っています。出遅れたラボたちが、先行きの不安を払拭するかのように、新たな取り組みをするために新しい器材などを購入していたりするのではないかと思っています。

昨年の世界のスキャナー売上は日本が一位ということからも伺えます。


そんな中。
先日弊社の野崎が学んできたウェルデンツを試しに作ってみました。
基本的に咬合面材料としては向いていないということは承知しながらも、暫間的な顎誘導の体験用装置として、どの程度のことが期待できるのか?の実験です。








全顎の1ケースやった程度でのことですが。。。

臼歯部の厚みは1㎜~0㎜で、あえて穴の開いているところもあります。
前歯部は臼歯を挙上した分だけの隙間です。0.5㎜前後です。

結果ですが。

【適合】
条件も悪いことは承知ですが、適合は前歯部に1㎜程度浮きが出ました。
高膨張石膏でどこまで寄れるか?ってところでしょうか。

【維持力】
かなりな低位咬合のため、アンダーカットは充分稼げませんでしたが、ウェルデンツの良いところが発揮され、何を食べても外れませんし、外すときも容易に外せます。

【全体強度】
強いブラキシズム、クレンチング、TCHというの悪条件のなか、3日目に前歯部の細いところから折れました。当然と言えば当然、補強もなしに良くもったものです。

【咬合面強度】
前述の強いブラキシズムもそうですし、食べものを咀嚼していると、やはり咬合面はあっという間にヘタれます。だからといって使えなくなるというのではなく、ただただ、ヘタれてボソボソになり線維が出てくる感じです。


JPIのようなピンポイントへの顎誘導装置としては使えそうにありませんが、平面補正、左右差補正、臼歯挙上などを体験してもらうための暫間的な装置としては、良い感じで使えるのでは?と感じています。 患者によっては装着日数に気を付けないといけないかもしれませんが。

ここまでは実験で、被験者は私でした。









というわけで、早速臨床でもやってみました。
その場でビスケットなどを食べてももらった感触は全く問題のないものでした。
夜は外してもらうことになっています。

後日追記するかもしれません。

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