2011年3月22日火曜日

被災者、被害者

今日の午前中のことですが、携帯に電話が掛かってきたので外に出て話していると(会社内は電波状況が悪く切れてしまうことが多いので)、見知らぬ人が近寄ってきて私に話しかけてきました。
おやっと思い、電話を切って話を聞いてみると
「福島の者ですが、埼玉スーパーアリーナはドコですか?」 ということでした
見たところ60歳前後の男性で、車は「いわき」ナンバーでした。

さいたまスーパーアリーナは、被災者、原発事故の被害者の一時避難場所として提供されています。 こちら



「被災された方ですか?」と伺ってみると、「離ればなれになった家族の安否確認でアリーナへ行きたいのです」とのこと。
サヤカからアリーナまでの道順を、土地勘のない方へ口頭で説明するのはとても難しく、またアリーナ周辺に着いたとしても駐車場の場所、受付の場所がどこかも分からないだろうと思い、「では一緒に行きましょう」ということで行ってきました。

私が会社の車で先導し、後ろからついてきてもらう形です。
離ればなれになった家族を探しに、見知らぬ道を見知らぬ人の後ろを追って走る人のよさそうな男の方が映っていました。
道すがら後方のバックミラーを見るたび、申し訳ない気持ちで胸が詰まる思いがしました。

さいたまスーパーアリーナへ着くと、アリーナ本体の地下駐車場は使えず、2ブロック先の屋外駐車場が臨時駐車場として開放されていました。やはり単独で初めて来るひとには難しいです。
駐車場の案内役の方に「正面受付に行ってください」と言われたのでアリーナの正面受付まで歩いていくと、多くのボランティアの若者が溢れていることが分かりました。

「ボランティアの受け付けは終了しました」と、テレビで見かける風景も見られました。

受付付近に並んでいた、役所の福祉科の人(腕章から)に事情を説明し、そのまま引き継いでもらい、とりあえず私としては安心できました。


駐車場から受付まで歩いているときに、その福島の方から少々話を伺ったところ

・地震・津波では被害がなかったけれど、原発による避難の対象になった
・7人家族の6人で越谷の受け入れ先に避難し、離ればなれになっていた一人に、ようやく連絡が取れ、その一人の避難場所がアリーナだった
・とりあえず安否の確認がしたいので、越谷から独りで迷いながらも車で来た

地震と津波ではほとんど被害が無かったのに、原発の避難勧告のために家に戻る間もなく避難させられ、そのため離ればなれになった家族とは今日になってやっと会える、ということでした。

震災による犠牲者、被災者も恐ろしいほどの数に上っていますが、原発による色々な意味での被害者も相当の人数がいるのではないかと思います。

お礼を言われても、そんなとんでもないですこちらこそ・・・とも何とも言うことが出来ず、頑張ってくださいとだけ言って握手をさせていただきました。

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