2011年6月23日木曜日

顎咬合学会 リポート 4

サヤカで若手の野崎が顎咬合学会に参加しました。
特に私からの「これ抑えて」の依頼はしなかったのですが、サヤカで周囲の先輩たちのやることを見聞きしているうち、自分なりに今とこれからを考えての受講だと思います。

そんな彼の報告を。


≪セラモメタル・クラウンの色調表現による口腔設計≫   内海賢二

・MB製作時 色の3属性のうち明度を50%以上で合わせることが出来れば失敗は無い
・パソコン処理でグレースケール使用
・MBはフレームが暗いので、暗い色から明度を上げるように考える
・ジルコニアなどはコア材が明るいので、築盛で明度を下げるように考える
・シェードと比べて  明度が低い時は トランスで調整
明度が同じ時は オペーシャスデンティン
明度が高い時は 蛍光色やオペーシャスデンティンで調整








≪咬頭嵌合位の安定から大臼歯咬合面形態を考察≫  藤尾 明


・咬合安定には臼歯部3点接触、カスプ トゥ フォッサの関係を作る

・アンテリアガイダンスは臼歯を離開させ、初期滑走で接触させない
(イミディエイト・ディスクルージョン) 

・上顎の6番は三角隆線を大きく作り、バーティカルストップを斜面にあてる

・ファンクショナル・カスプ イミディエイト・ディスクルージョンさせるため、中心窩から外へ大きく開く
(上顎6番では唇側面溝、下顎6番では舌側面溝)

・2級の場合は下顎の6番を4咬頭にすると、3点接触、イミディエイト・ディスクルージョンさせやすい

・咬合の長期安定のために、バーティカル・ストップを摩耗させないよう、イミディエイト・ディスクルージョンさせる事が大事







≪インプラント補綴のマテリアルの線選択≫  林 揚春

■多数歯欠損、ロングスパンのインプラントは修理できるかを重視するべき

・セメント・リテイン    取り外したときのセメント除去が手間


・スクリュー・リテイン  CADなので適合が良い 舌房が広くとれる 取り外しが手間

・AGC           2重冠のためクリアランスが多く必要 舌房が狭くなる
適合が良い  アクセスホールがない  修理可能
歯冠長が長い時に使う


■アングル   
1級  【上顎】 スクリュー AGC  【下顎】 スクリュー  AGC

2級  【上顎】 スクリュー AGC  【下顎】 スクリュー

3級  【上顎】 スクリュー       【下顎】 AGC

(前歯部の場合は舌房やアクセスホールの関係で、アングルの分類によって使い分ける)


歯を治療するだけでなく、第一に健康のことを考えているため、初診時に体スキャンで基礎代謝や水分量などを測る。

インプラント補綴後は基礎代謝や水分量が上向きになる。








≪時間軸を考慮したインプラント補綴≫  武田孝之


・インプラントは長く持って20年  上部構造は10年のスパンで交換すべき
(補綴物は車のタイヤと同じ)

(考え方、手法は林揚春氏と同じで、スライドも共有して使っていた)      



野崎のリポートからは何でも吸収しようという勢いが感じられます。
審美技工、インプラント技工など、学校では深く教われないながらも、ラボに勤めれば当たり前に取り組まなければならないことばかりで、卒業して間もなくの頃は他のスタッフが話している単語が分からないと困っていました。
私も昔はドクターのセミナーなどに参加し、筆記用具を持って、とにかく知らない言葉だけ端からメモしまくり、会社に戻って調べ倒した記憶がありますw

今年の9月10月に、新規でJIADSが技工士の講習会を始めることになったので、サヤカからは2名参加させていただきます。野崎もそのメンバーです。

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