2012年7月16日月曜日

技工の行く末  その4



技工の行く末 その3でいったような、「機械が全て作ってくれる」というのは進化の方向としては間違いないだろうと思っています。


もしも、それらが全て可能になったら、それこそ「今の」技工士学校教育もかなりの部分が必要なくなるかもしれませんし、器材、材料なども、そのほとんどが必要のないモノになるのかもしれません。


依然として離職率も7割だ8割だと高いまま、今年度の東京都の新卒技工士登録数は、これまで最高で1,000人単位だったものが300人前後と、これまでに比べてかなり減ったとも聞きました。


言葉巧みにやりがいのある仕事だと嘯いても、ネットで容赦なくその現実を晒される時代なので、技工士学校の新入生集めや各社の優秀な人材確保も、今後はますます厳しくなるのではないかと思います。


そうなると全体の流れも機械化ウェルカムというより、機械化しなければ対応できないということになるかもしれません。
日本での最先端技工を手掛けるあるラボの社長さんと話したときも、「最近は気骨のある若いやつが減ったし、そのてん機械は文句言わないですし、能力差もありませんし、寝ずに働いてくれるから、数千万掛けて新たにCAD/CAM導入します」と言っていました。






機械化、いわゆるCAD/CAM化といっても、現在のところ数パターンありますね。
1、医院内で全て完了 (シロナ)
2、医院→クラウドCAMセンター→医院(シロナなど)
3、医院→クラウドCAMセンター→ラボ→医院 (大信貿易・シロナ?)
4、医院→ラボ→クラウドCAMセンター→ラボ→医院(大信貿易)
5、医院→ラボ→CAMセンター→ラボ→医院 (ラボスキャナーの各社)
など


2、3はクラウドCAMセンターへの注文権利取得として、口腔内スキャナー、ラボ用スキャナーの購入などがあるものと思います。
5のCAMセンターはCAM機を持っているラボは、ラボ内完結です。
4、5の違いは資本力の違いによる機材の能力差で、扱える材料の種類や精度に差があるでしょう。


また、企業としての各社の取り組みも見ると。。。
【ラボに影響】
「壊れない材料」「どんなケースでも対応可能」という魅力を武器に、
しょーもない一部の会社による、戦略という名の節操のない抱え込み、取り込みなどもあり、共に頑張ろうなどと握手をしたつもりが、後ろを向いて舌を出されているラボも少なくないのかもしれませんし、何度やっても懲りないこういった会社は、今後も事あるごとに医院との直結を画策しつづけるものと思っています。




【メーカー、ディーラーに影響】
クラウドCAMセンターへの権利獲得としてスキャナーを購入し、世界のCAMセンターとやり取りができるという現状ではピンとこないこのラインは、納期の問題が解決できるようになれば、かなり将来性のあるラインではないかと思っています。
ただ心配なのは、裾野を広げる努力をした会社を、裾野が広がれば広がるほど邪魔に感じてくるのがCAMセンターだろうな、ということです。
将来的には中間を通すメリットを、ラボ、CAMセンターの双方に作れなければ、どこよりもデジタル化を進めたために、デジタル化のメリットによって自らが滅ぼされるという結果になりかねません。
口腔内スキャナーからダイレクトにCAMセンターに模型と半製品が発注されるようになると、前述したように、印象材、石膏などは売れなくなります。


こういった企業の持つ宿命のようなものによって、自他ともに揺さぶられ、図らずも淘汰されてしまうものが続出するのかもしれません。それが何処なのか。





さて、上に書いた、4、5のラボの存在意義が問題になります。
そこに存在の意味があれば、矢印の後ろはCAD/CAMでもワックスアップ〜鋳造でも、どっちでも好い事になります。もちろんそうなれば、メーカーやディーラーさんも、今までの取り組みを継続していってもらわなければなりません。


ここからは非常に書きづらいことを書かなければなりません。。。




つづく



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