インプラントCAD/CAMミーティング2012に参加して。
去年好評だったインプラントCAD/CAMミーティングですが、今年も第2回としてパシフィコ横浜で開催されました。
なぜインプラントとCAD/CAMで2分野で共同開催するのか?
その疑問はプログラムを見て少し納得できた気がしました。
それは大手・主要インプラントメーカーは自社ブランドとしてCAD/CAMシステムを持っていたり、またはガッチリタッグを組んでいるCAD/CAMメーカーがあり、
トータルソリューションとしてインプラント技工をサポートしているということです。
今やインプラント技工はCAD/CAM無しでは考えられません。
決して楽になったわけではありませんが、今まで加工できなかったジルコニアやチタンを使えるということは大きな革新だと思います。
また最近はインプラントにおけるトラブルに対するネガティブキャンペーンが一部で見られます。
CT診断も含めてガイデッドサージェリーの有効性は言うまでもなくそのような残念な風潮を打開できる策とも言えます。
安全確実なインプラント治療のためにCAD/CAMをはじめとするデジタル化は時代が求めている必然ということです。
デジタル化によるトータルソリューションの流れ(例)
CT診断→ガイデッドサージェリー→口腔内カメラ印象→CAD/CAMで加工→技工士による仕上げ
システムによっては作業模型さえもCAD/CAMで加工してしまうものもあり、驚くものにバーチャル咬合器などという画面上の咬合器で診断するものもありました。
CTのデータをCAD/CAMで共有したり連携がうまくできているシステムもあり、本当に関心しました。
このようなシステムを使いこなし、演者の方々は素晴らしい症例を発表されていました。
おなじみの演者の方も多く、このミーティングで発表されている方々は時代のフロントランナーなんだな、とおもいます。
中でもマージェンスプロファイルをどう仕上げるか?サブジンジバルカントァーはレスかストレートか?
インプラントと天然歯が隣り合っている場合、インプラント同士のときのパピーラは?その時の骨の状態は?
そもそもプラットホームスイッチングか?マッチングか?
様々なサジェスチョンが繰り広げられ、エビデンスであったり予後観察であったり今回のホットなテーマだったような気がします。
ただインプラントを埋入してCAD/CAMで上部構造を加工しました~。という時代は終わって、
いかに美しくインプラントだと気がつかないような自然なエマージェンスプロファイルを与えるか、そしてそれを維持できるか、
そのためにCT、ガイデッドサージェリー、CAD/CAMによるアバットメント&オールセラミック
それが今のトレンドなのだなと思いました。
メーカー展示のCAD/CAM機などもいろいろ見せてもらいましたが、本当に見るたびに進化していて、ついていくのが大変だと思います。
新しいメカを導入する際はこの戦国時代を勝ち残るシステムを吟味する必要があり、悩ましい問題かと思います。
サヤカは各メーカーと親交がそれなりにあり、いつも新しいものを見せていただくのは割と早いほうかなと思いますが、常にアンテナを張って、このようなイベントは積極的に参加していく必要があるな、と思います。
レポート:恩田典之