2011年7月8日金曜日

e.max CAD on  大臼歯

e.max CAD on        
CEREC inlaboでは4歯まで口腔内カメラ使用でBrの製作が可能になっており、
コネクト陶材は2ケイ酸リチウムセラミックのクリスタライゼーションの際に焼結する。

大臼歯のオールセラミック化を考えると、オールジルコニア(酸化ジルコニアがセラミックか?は置いておく)の次に安心できるシステムはe.max CAD onなのだろうと思います。

現実にはinlaboの場合適応本数が4歯までと限定的なので、応用範囲から考えるとそれほどでもないかな?とも思いますが、ジルコニア・セラミックの大臼歯の破折が目立ってくると、気になる存在になります。


ジルコニア・セラミックの場合≪セラミック部分≫が破折するわけですが、ジルコニアとセラミックの結合に関してはQDTでも発表されているので割愛し、私はジルコニア用セラミックの強度、曲げ強度に注目してみます。

先日もヘレウスの発表会(?)で小野寺氏が「リューサイトが入っていないとセラミックの破折につながる」というような話をしていたとも聞きました。
そこらへんは松風の開発者に言わせると「ん~?」というトコロらしいですが、その松風のジルコニア用陶材にはリューサイトが入っていて、セルコンセラムkissよりは曲げ強度が高いそうです。





上顎は機能咬頭直下にサポート付与できますが、下顎はできません。。。



などと松風の方と話をしていたら、お試しでジルコニア用陶材を貸してくれることになりました。
届き次第、試させていただきます。


大臼歯のオールセラミック化(単冠ではなく)を考えた場合、前述のe.max CAD onはCERECやエベレストなどと少々金額的ハードルが高く臨床応用の幅も狭いとして今は考えず、現実に技工所として取り組むとすると
e.max ジルプレス か ジルコニア・フレームへのe.maxの接着です。

ジルプレスはセラムで修正の焼成が出来ますが、接着の方は接着後の修正が出来ません。

ジルプレスは2ケイ酸リチウムセラミックではなくフルオロアパタイト・ガラスセラミックなので曲げ強度が110Mpaになります。普通の築盛型セラミックとほとんど変わり映えのない数値です。

e.maxの詳細はこちら

しかし現実には築盛・焼成されるセラミックは安定して100Mpa前後の強度があるのか?というと、それはないそうです。私もそう思います。
陶材の密度や真空の状態、築盛されるときの水分量、空気の巻き込み具合、などなど、数値に変化を及ぼす要素が沢山あるのだろうと思います。

臨床例からはセット後のジルプレスの破折はほとんど無いそうです。
構造的にもジルライナーで繋がれているので安心感があります。

ジルコニア・フレームにe.maxを接着する技法も、臨床で2年経過しているトコロでも経過は良好のようです。構造的には1000Mpaのジルコニア・フレームに400Mpaのe.maxを、せいぜい50~60Mpaの接着剤でつけているので、問題が出るとすれば接着剤の強度ではないか?とイボクラの方も言っていました。


日本でも超有名な審美系の歯科医院でも、大臼歯を白くする場合に最近ではメタルボンドを選択しているなどという、かなりシークレットな噂も聞いてしまいましたw



まだまだ色々と模索していくのだろうなと思います。  以前の関連コメントは こちら

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