2010年12月1日水曜日

模型の精度 ジロホーム

模型の寸法精度を上げるために、ジロホームやサイザーシステムを調べていました。
今さっき調べていたのではなく、今年の初めころ白水に問い合わせ、「模型精度の向上を目指して」などの論文を読みすすめ、真剣に調べ始めたのはここ2カ月ほどです。

それぞれの開発の目的はおよそ、模型上で適合していた技工物が口腔内では入らない原因の一つに口腔内と模型のサイズにズレが生じているのでそれを補正する、というものです。

昔臨床に出たてのころは、印象材の収縮率(マイナス)、石こうの膨張率(プラス)でプラスマイナスゼロだなんて思っていましたが。。。(汗

印象材がトレーに裏打ちされて収縮するということは、模型から見れば膨張方向に変形ということになり、また石こうも膨張します。
メーカーが説明書などに記している収縮や膨張はJIS規格の準じて計測しているため、私たちが作業するときの寸法精度とは異なります。

先日も実験で全顎の模型をシリコン印象して通常の模型作りをし、シルバーでフルブリッジを作ってみましたが、結果は悲惨なものでした。
インプラントの模型ですが、カスタムアバットメントが8本、長いアバットメントで12.5㎜、短いアバットメントで7ミリ弱、その他だいたい10㎜から11㎜ほどの長さでで、およそ左右の6番相当までのフルアーチに近いものです。また、インプラント・アバットメントですからテーパーもきついです。

見た目では良い線いくかと思ったのですが、分割模型では適合しているにもかかわらず、マスター模型には全く入らず、特に長いアバットメントの部位は4本支台のBrさえ入りませんでした。

一般的によく見かける長さの支台歯の場合だったら結果も違ったと思いますが、このくらいの厳しい条件になると印象と模型による寸法精度とは一体・・・と、どこから考えなおせば良いのか分からなくなる、というような結果でした。

では、ジロホームやサイザーシステムを使えば適合するのか?

そこで、その結果を踏まえて、適合に関してはこの人だろう、というあの方に聞いてみました。

するとやはり。
そもそも印象材が口腔内の状態を完全に現していると考えること自体間違っている、とかなり痛いところを突かれてしまいました。 確かにその通りです。

可能な限り口腔内と同じ状況を再現するためには、口腔内でコア採得するだけとおっしゃっていました。

模型をなるべく印象材に合わせるというのであれば、それらもシステムはとても良いものかもしれませんが、そのシステムで作った技工物が口腔内で合うのかというと、それは確かなことではないということが分かりました。

それらのシステムは今はまだ導入していません。

今もまだ検討中です。年が明けてから、また考え直します。




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