2011年9月14日水曜日

金属の高騰 その6

日経がダメダメでゴールドが高値扱いになり、東京でもNYでもドスバタと揉み合っているようです。
安心できるお金の行き所(運用場所)が見つからないのなら、下がると思っていると痛い目をみるのではないでしょうか。

先日書いた通り、金属各社も金含有量の高い金属の値上げに動いています。

海外は知りませんが、日本のこれまでの歯科医療補綴における末端価格の設定方法で「使用金属による差」を付けていることが多かったと思います。

メタルボンドが頂上に君臨していた時代でも
「 プレシャス・メタル 」 ●●円
「 セミプレシャス・メタル 」 ●●円

金属床でも
「コバルトクロム」 ●●円
「白金加金」    ●●円

金の含有量が多く、これらを使うと適合精度が増し、熱伝導率が高く、生体親和性も良いです、などは良く聞いた話ですし、私も沢山言ってきました。。。

とするなら、金属を使用する補綴物だからと説明し、そういった補綴物については昨今の金属高騰による値上げを理解してもらうのも難しいことではないのではないでしょうか。

 金属がどうしても必要というケースに限って取り組めば良いことですし、だからこそ金属を使わなければならない、あるいは使った方が良いという理由も 明確に伝える必要性も出てきます。
それはどういうことになるかと言えば、裏返しで、今後の歯科医療補綴における金属の必要性も見えてくる、とも思います。

誰に聞いたのか、何を知っているのか知らないのか、オールセラミック系を全くやらない方々も沢山いますが、先日アメリカの大型ラボに行った知人から聞いた話では、そのラボの主力はe.maxになっている、とのことでした。

ジルコニアは、ジルコニアでなければならないモノのみだそうです。
金属もそうであればグーですね。金属で補綴した方が良いモノだけを金属ですれば、と思います。

個人的には、e.maxのCADからのクリスタライゼーション工程のみジルコニアとヒュージング出来るというのを、2ケイ酸リチウムセラミックでも出来るようにしてもらえたら、補綴のかなりの部分をe.maxに置き換えられるのにと思っていますし、そうしてなってもらいたいと願っていますが・・・




咬合治療をする場合、基本的に全てはバーティカルディメンジョンが高くなる方向で調整していくので、補綴の量も多いですし、クリアランスは多くなります
前歯部の補綴では、上顎だけでバイトさせようとした場合は舌側の厚みが半端ではないです。
唇側が1mmのクリアランスで、舌側は2.5mm厚みをもたせてライトコンタクトさせなければならない、などというのはよくあることです。
ジルコニアやe.maxで補綴するなら、クリアランスのあるなしによって製作費(技工料金)が変わるということは殆どありませんが、セラミック前装やハイブリッド前装で作るとなれば、金属を使えば使うほど、製造単価が上がります。。(e.maxもインゴット使用量が増えれば、その分は増えます)


写真は 「 ジルコニア・セラミック 」 「e.max CAD 」 「 e.max レイアリング 」



写真は 「 e.max ステイン 」

「 メタルボンド と e.max ステイン 」でも書いたように、患者が喜び、医院が潤い、技工所が潤う、という構造を脅かすモノは、業界としても早めに対処した方が良いのでは、と思っています。

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