2011年9月8日木曜日

メタルボンド と e.maxステイン

単冠補綴の場合は、どちらを選択します?

多くの歯科医院では、オールセラミックのランクはメタルボンドより上に位置します。
メタルボンドとe.maxステインの形成・印象など歯科医院がやることは、ほとんど技術的な差はありませんが、患者さんに対する値段設定は、例えばメタルボンドが10万でe.maxが13万、ジルコニアだと15万などという段階付がされていたりします。

メタルボンドとe.maxステインの場合、技工作業では結構な差があります。



技工士にとってはフレーム製作から築盛などがあるメタルボンドの方が大変ですし、そのため技術料だけ見ても弊社の料金設定ではメタルボンドの方が高く設定されています。

メタルボンドには一般的に使われるセミプレシャスのメタル代を加算し、e.maxステインにはインゴット代を加えた、それぞれの総額を見ても、ほとんどの場合はメタルボンドの方が高くなります。
(e.maxステインの話で、築盛タイプのレイアリングは別です)

しかし、前述のように多くの歯科医院ではe.maxなどのオールセラミックの位置はメタルボンドより高い値段で患者に紹介されるように設定されています。

e.maxなどのオールセラミックは全てにおいてメタルボンドより優れているのか?
といえば、それは違うと思います。
症例への対応能力、許容範囲の広さ、パーシャルデンチャーとの相性、安心感など、メタルボンド
ならではの優れたものを多く持ちます。患者さんの口腔内によっては、メタルボンドが最良の選択という場合も、結構な割合であるのではないかと思います。
「モノ」として何が優れているのか?何が最先端か?ではなく、その患者さんにとって現時点で何か一番適しているか?が重要とではないかと思います。


実際に患者さんと話したりすると、細かな「モノ」の違いは上手に伝わらないことの方が多いように感じます。過去に補綴で嫌な経験をした人などは真剣に聞いてくれますが、金額的に納得していただける患者さんの場合は「お任せします」が大半ではないでしょうか。

補綴メニューみたいなものがあって、歯冠色補綴物だけで5種類も6種類もあり、それぞれに「連結できる」「細かな色合わせが可能」「変色の有無」「すり減る」などが記されていても、一般的な受ける側の感覚からすると「よくわからない」となるのが現実だと思います。


ここはひとつ、e.maxステインやe.maxCADをメタルボンドの下に位置させたら如何でしょうか?
と真剣に思っています。

別の言い方をするなら、メタルボンドの料金を上げてe.maxステインの上に位置させたら如何でしょうか?です。

特にCADを扱う歯科医院で、既にそのように設定、取りくみをされていて、かなりの本数をこなしているトコロもあります。シェードなどはかなりラフですが。






写真のような金属が肉厚になるメタルボンドで、金の含有率50%以上のセミプレなどを使っていると、一本単価が総額25,000円を超えることもあります。

e.maxステインの総額より全然高いです。

このケースは患者さんが「お金が無いから、この3番目のやつでお願いします」と言って決まったメタルボンドです。
メタルボンドとe.maxステインを、例え同じ値段で患者さんに紹介したとしても、e.maxステインを選んでくれたほうが。。。医院としての利幅も大きく、患者さんも喜び、技工士も良い

それなのにw


患者さんからもらうお金は少ないけれど、製作費の総額は高いなんておかしいです。

もちろん、冒頭で書いたようにe.maxステインを含めた「オールセラミック」が、メタルボンドより高く設定されているという前提の話ですし、途中でも書きましたが、本来であれば原材料が高騰しているので末端価格を上げたり、内容量を減らして対応している企業たちと同じように、歯科医院でも「金属が高騰しているので」とってメタルボンドの末端価格を上げる、というのが筋だとは思います。


今朝 材料商の方から電話で

「焼付の金属が1,800円上がります」と、連絡がありました。。。









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