設計、モックアップ製作、窓開け、PIBスキャン、その他ジルコニア・ブロックの大きさ制限と、その対応措置など色々あって楽しさ満載のケースでした。
昨今の一番大きなジルコニアブロックは85mmで、ほとんどの会社がその大きさに対応しています。
が、ノーベルは最大60mmですので、全顎PIBになると厳しいケースに出くわします。
PIBに限らず、今後訪れるであろう保険へのCAD/CAM進出ですが、ネックの一つになるのが「出来ることと出来ないことがハッキリしている」という点ではないかと思います。
アンダーカットは基本的に被せられませんし、ブリッジや連結の場合は平行性が確保されていないと作れません。技工士はこれらを技(わざ)でカバーしてきましたが、今のところデジタル側はそれを許してくれません。ファジーモードなどが出来れば別ですがw
延長ポンティックの長さ制限は10ミリですので、最初からデザインでカットした場合、写真を見ても分かるように6番の延長ポンティックの長さを認められずプロシード出来ないので、最初のスキャンのまま最遠心部の一本だけ犠牲にして削り出ししてもらいました。
この形態に加工するためにタイヤモンドバーを注水タービンでつかいまくりましたが、長い時間左手に水が掛かりっぱなしになるので、ずっと手が冷たかったです。。。
回転防止のグルーブに適合するようにワックスアップ。
模型上での出来上がり感は上々です。
上下すべての補綴物を計りに乗せてみましたが68gでした。
ジルコニアは貴金属に比べれば軽いですが、ここまで大型になるとそのくらいは仕方ないようです。
ジルコニアは連結部の面積が大きいのが審美的な欠点になる、とは先日のインプラントCAD/CAMミーティングで日高先生も言っていましたが、日常目線でいかに孤立感を表現するか、というのが製作上の注意点の一つではないかと思います。横から見ると、どうしても一塊に見えます。
前歯部はアンテリア・カップリング、犬歯誘導で臼歯の保護を図ります。
日常生活の目線で見たときに、孤立感が確保されていれば良しとします。
今回は試適のため、グレーズ手前で研磨による艶出しだけしてあります。
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